写真:日本ラグビーフットボール協会提供
準々決勝の切符が託されたのは、流通経済大。試合前には真っ白だったジャージは、草の色で茶色味がかっていた。
***
試合終了後の挨拶をする時、涙を流しながら最後尾を歩いていたのは筑波・岡﨑キャプテンだった。そんな彼の元に、山田バイスキャプテンが笑顔を浮かべながら、握手を求め近寄る。抽選のカードを引く役目は、負傷退場した岡﨑キャプテンに代わって山田バイスキャプテンが務めた。
「僕がもし、抽選カードを引いていたとしても、山田と同じように筑波サイドにあった封筒を引いた」試合後の記者会見でそう語った岡﨑キャプテン。グラウンドにいる間中、涙が止まることはなかった。
最後に。記者会見の終わり、筑波の嶋﨑達也監督が紡いでくださった想いを、お伝えする。
「コロナ禍において制限が厳しく、自己グラウンドではいまだに対外試合が出来ない状況が続いています。そんな中、流通経済大学さんには8月に2度、同じ茨城県にある大学ということでグラウンドを使わせて頂きました。おかげで僕たちはシーズンをスタートすることができましたし、本当にそれがなければ、今日ここに立てていたかもわからない。流通経済さんと対戦して、感謝もしていますし、その分正々堂々やれたと思います。流通経済さんあっての僕らだった。本当に感謝しています。ありがとうございました。」
まさに、好敵手との一戦だった。