262,800分に懸ける覚悟<女子セブンズ日本代表の挑戦>

ハレ・マキリHC

ーーチームに合流して数日経ちました

合流前は、どうアプローチしていけば良いのか、持っている情報をどう若い女性選手たちに伝えるべきか、と考えていました。ですが今は、非常にポジティブで楽しみな気持ちでいっぱいです。

これまで男子セブンズチームに関わっていたので、ワールドシリーズなどで彼女たちのハードワークぶりを目にしていました。

しかし実際にはどれだけハードワークしているのか知らなかった、と気付かされましたね。今回の合宿で、みんなの頑張りを目の当たりにし驚いています。軽い交通事故くらい、激しいコンタクトをしていますから(笑)

女性が強い意志を持って集まると、大きな力が生まれるんだと実感しています。頑張っている彼女たちに、私が持っている限りの知識を与えたいですね。

ーー東京オリンピックまであと半年。一番伸ばすべき点は、どこでしょう

半年で出来ることは限られています。そこで「変えられるものは何か」という視点を持ちました。それは、ゲームにおけるマインドセットです。

長いこと同じチームでプレーしていると、『ふつう』が固まってきてしまう。違った角度からのアプローチ、考え方を取り入れるようにしています。目に見えて功を奏しているのではないでしょうか。

ーーどのようなチームを目指していきたいですか

オリンピックで一番ディフェンスに長けたチームになりたい、と思っています。それも、アタッキングディフェンスです。

エキサイティングでオープンにアタックするラグビーを実行する力を選手たちは持っていますが、それはボールを獲得してからの話です。まずはボールを相手から取り戻すために、ボールを奪える『アタッキングディフェンス』を仕掛けたいと考えています。

ーー1対1のミーティングを取り入れていると、黒木選手がおっしゃっていました

一人ひとり性格が違うので、全員に全く同じ役割を与えることはできません。選手個々の違いを理解するためには、1対1のミーティングが大事だと思っています。理解も深まりますし、人としての繋がりも大事ですから。

与えられた時間は半年

ーー日本協会からヘッドコーチのオファーを受けた時期について教えてください

リリースが出る2週間程前です。

ーーオファーを受けるにあたり、誰かに相談をしたのでしょうか

いいえ。自分自身でこのチームのことを知りたい、理解したいと思っていたので、特に誰にも相談はしませんでした。

ーー合宿に加わるまでのおよそ1ヵ月、どういう準備をしてきたのでしょうか

これまでの試合をたくさん観て、一人ひとりの特徴を理解しようと努めました。

ーーチームのスローガンなど、既に決まっていたら教えてください

まだありません。でもそれを決めるのは私ではなく、選手たち自身だと思っています。グラウンドの上で感じたことを、選手たちには言葉にして欲しいですね。

ーー最後に、東京オリンピックに向けた意気込みを教えてください

現在の状況は、メンタル面でも非常に難しいと思います。ただ(開催の可否については)コントロールできることではないので、オリンピックに向けやるべき準備をするだけです。プレッシャーを感じることもありますが、出来ることを見出していきます。

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