大会がなかったら、僕たちの優勝はなかった。進化できることに感謝|高校選抜ラグビー <決勝>

試合後コメント

東福岡

藤田雄一郎監督

ーー優勝おめでとうございます
正直嬉しいです。桐蔭学園さんまで辿り着くことが目標だったので。内容はどうであれ、スコアで上回ったことを評価したいです。

今日は前半のスタートに掛けていました。FWがあれだけボールを取り返してくれましたからね。東福岡が上に立っている(優勝する)時は、相手ボールを取り返せるラグビーをする時。選抜までの3ヵ月間、徹底的にそこの対策をしてきました。後半疲れてもいいから前半からやるぞ、と。この天気だし、桐蔭学園さんとの試合でしょ。簡単にはトライを取らせてくれないとは思っていましたが、予想外に前半スコアしてくれましたね。

ーータイトルを奪取した感想を教えてください
久しぶりなのでまだあまり実感が沸かないのですが、今日は選手が頑張った結果です。2021年シーズン良いスタートが切れたので、ここで勝って帰ることが大きな経験値になりますね。優勝という経験は全く違います。彼ら中学の時に福岡県選抜で優勝しているので、優勝する気持ち、負けないという気持ちを持っている代ですね。

それから自分達でよく喋ります。ミーティングも多いし、監督・コーチ陣への要望も多い。シーズン初期にしては、よく喋ります。これは歴代の強かった代でも言えますが、よくミーティングをしますね。言ってることも的確です。「ラインアウトの分析をしてください、映像見せてください、休ませてください、FW合宿しましょう」こっちがやろうとしていることを言ってくれる。こっちは大変ですけどね(笑)

ーー連戦で疲れもあったのではないでしょうか
決勝に行くことが疲労回復の一番の薬。今朝も元気よく起きてきたので、手応えはありました。後半あれだけトライを取られるのは、相手が桐蔭学園さんですから。想定内です。



ーーいい選手たちがたくさんいます
八尋は良いキャプテンですね。考えて物を言える選手です。満場一致で八尋がキャプテンになりました。去年の3年生の推薦と、最終的には僕が決定しました。

楢本もバックスリーダーとしてしっかりラグビーのこと、チームのことを考えてくれています。本当、頭良いです。

遠藤、大西、茨木など良いプレーをした選手もいましたね。FW全体がこんなに体を当てられるんだ、と。今年はFWが強いイメージはあったんですけど、ここまで頑張れることが分かったのは良かったです。

ーー東海大仰星とのライバル関係と桐蔭学園とのライバル関係に差はあるのでしょうか
全然違います。仰星とのライバル関係は、身内といいますか。桐蔭さんは目標です。

ーー世界のラグビーが身近になったことによる影響はありますか
世界中のラグビーを見る機会が増えているのは、良いことですね。トップリーグのレベルもどんどん上がっていますし。生徒たちとトップリーグを見て「このプレーをコピーしよう」と話しています。今日も一本ありました。ラインアウトのブラインドからのムーブは、神戸製鋼さんのプレーを真似したものです。

ーー改めて、監督ご自身の優勝に対する想いを教えてください
桐蔭に勝つにはどうしたらいいのか、ということを考えた4年間でした。桐蔭はしつこいし技術はあるし、優れたタレントが実直に頭を入れる。トライを取る嗅覚もあります。

そこで出た結論は、フォワード戦で勝たなければ乗り越えられない、というのが一つの答えでした。

生徒たちのフィジカルはまだ伸びしろがあります。4月でこれですから、フィジカルを伸ばしてバックスも精度を上げて、強いラグビーをもう一回再構築したいです。去年までは追う立場が追われる立場になる。それをぶっちぎっていくためには、まずフィジカルです。

花園4年連続ベスト4で、このまま優勝できないのではないかと思う時もありました。今回優勝できたことが私自身の自信にもなりましたし、これからどうやったら成長するか、というヒントにもなった大会です。

八尋祥吾キャプテン(6番)

ーー怪我は大丈夫ですか
松山聖陵戦で打撲しました。2試合休ませてもらったので、大丈夫です。

ーーファーストトライは八尋キャプテンでした。決めてやるぞ、というような気持ちの表れですか
恵まれただけです。これだけ良い選手がいるので、特に「トライをしよう!」と意気込んでいるわけではありません。チームをまとめるために、みんなの気持ちを合わせることがキャプテンの仕事だと思っています。

ーー意思統一のためにしていることは
監督の言葉を復唱しています。またコミュニケーションの中ではよくあることですが、聞き手が話し手の意図と異なる受け取り方をしてズレが起きないよう、認識を合わせることを大切にしています。

ーー今日の勝因を教えてください
FWが強いと勝つということが分かっているので、ウエイトトレーニングを強化したことです。これからも引き続き体づくりをしっかりとしていきます。あとは、捕まってから足を掻く、というプレーをしました。

ーー冬に向けて
完璧ではない部分を修正していくこと、それからFWのクオリティを上げていくことにフォーカスしていきます。

楢本幹志朗選手(10番)

ーー準決勝で苦しんだプレースキックが改善されました
ありがとうございます。プレースキックは直接点差に響くので、昨日しっかり練習しました。

ーー今季のチームスローガンである「覚悟とMust」が体現できた部分はどこでしょうか
一つのブレイクダウン、一つのキャリー、一つのタックルに覚悟を持っていこうと試合前に話しました。責任をもったブレイクダウンで、責任を持って球を出す。覚悟を持ってブレイクダウンに臨めたと思います。

ーー4冠に向けて、まずは1タイトル目です
このままだと残り3冠には程遠いと感じました。福岡に帰って改善すべき所を改善し、いい所を伸ばし、花園では圧倒して優勝できるように練習したいと思います。

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