大学生として、JAPAN XVーーすなわち、日本代表に最も近いチームーーに選ばれること。その意味は決して軽くない。
「ジャパンの“スタンダード”を学ばせてもらいました」
そう話すのは、今年4月にU23日本代表としてオーストラリア遠征に参加した武藤航生選手(関西学院大学4年)。しかし3戦いずれも出場機会はなかった。
「大学よりも、何段階も上のスキルレベルやマインドが求められる。そのことを知って、適応して、追いつくために頑張ったオーストラリア遠征でした」
取り組み方を変えた。
練習量だけではない。食事にはじまり、ウェイトトレーニング。もっと言えば、日々の生活まで。細部にも責任を感じながら、過ごすようになった。
増えた筋肉量と減った体脂肪の数値は、見て取れる体つきの変化として表れる。
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JAPAN XVとして桜のマークをつけて戦う試合に、11番として先発出場する武藤選手。
「このチャンスをもらえたことが大きい。できる限りのパフォーマンスをしたい」と静かに闘志を燃やした。
「アタック時のボールキャリーと、運動量。80分間、ボールに絡むプレーをひたむきにやり続けたいです」
あわせて求められるのは”ゴールドエフォート”。ボールを持っていない時に、いかに働くことができるか。その指標が、日本代表ではポジションごとに設定されている。
「ウイングにとってのゴールドエフォートは、例えばハードなキックチェイス。エッヂラックに参加してからの、2フェーズ目・3フェーズ目のアタックにちゃんと参加すること」
求められる地道さに丁寧さ。そして情熱。
桜の責任をプレーで表す80分間に、チャレンジする。