「JAPAN XVの先発。びっくりしています」と笑う彼の表情は、どこかまだ信じられないようでもあり、噛みしめるようでもあった。
明日5月20日(火)に行われる、NZUとの一戦。JAPAN XVの先発ルースヘッドプロップに抜擢されたのは、関西学院大学3年・大塚壮二郎だ。
「U19(高校日本代表)で出られなかった悔しさがずっとあって。それをバネにやってきました。U20日本代表で試合に出られて、少し自信になったと思ったら…一気にU23日本代表とJAPAN XVです」
高校時代には高校日本代表に選ばれはしたが、試合出場はゼロ。昨年はU20日本代表として1番をつけ、2試合を戦った。
土台を踏みしめたからこそ、階段を駆け上がる時の安定感が増すことに成長を感じ取る。
明日、日本の地で初めて桜のエンブレムをまとう一戦を前に、大塚選手は朗らかに宣言した。
「ブレイクダウンとスクラムの低さ、接点の部分は、ジャパンでずっと教わってきたことです。そこをしっかり発揮したい。あとは『イッキ』という起き上がるスピードは世界一を目指すように、とエディーさんからずっと言われています。そこはこだわってやってきました。ブレイクダウンもずっと教えてもらって成長したと思うので、成果を発揮したいです」
高校日本代表だった2年前よりも、U20日本代表だった1年前よりも。
いまが一番、良い表情で笑う。
「2027年のワールドカップはまだ難しいかもしれません。でもその次、2031年や2035年には、ワールドカップメンバーに入りたいです」
大きな夢を、焦らず、確実に追いかける。
大学生プロップがつける桜のエンブレムの、その先へ。
1番のポジションから見える景色は、誰よりも低く、誰よりも高きを射止める。