「コベルコカップ優勝」目指し、選考を兼ねた女子公開競技が行われる「思い出に残る1年に」|第73回関東高等学校ラグビーフットボール大会 女子公開競技

照りつける日差しのもと、第73回関東高等学校ラグビーフットボール大会 女子公開競技が6月6日(金)に栃木県佐野市で行われた。

フィールドに立ったのは、関東の精鋭たち。

異なる学校、異なるスタイル。南北でチームを分け、コンバインドチームとして戦えば、南関東(青ジャージー)が2トライを挙げ10-0で勝利した。

スポンサーリンク

南関東チームのキャプテンを託されたのは、関東学院六浦高校のバイスキャプテン・伊藤ちひろ選手。

本職はスタンドオフだが、この日はメンバーの都合でインサイドセンターとして出場。慣れないポジションでも、臆することなくゲームをコントロールした。

「前半はスクラムで劣勢になってしまったんですが、最後にFWがトライライン目前で本当に力強く行ってくれて、なんとか取り切れました」

仲間への信頼と感謝がにじんだ。

後半、チームはギアを切り替えた。

「冷静に、落ち着いてプレーしよう」とチーム全体の意識を共有し、徐々に試合の流れを取り戻す。後半8分、自陣深くのマイボールスクラムから展開されたボールを受けた伊藤選手は、自ら切り込んでトライを奪取。

「取り切れてよかったです」と、安堵の笑みをこぼした。

この試合を経て、8月に長野県菅平高原で開催されるコベルコカップに向けた関東ブロック代表が編成される。

伊藤選手はこの大会に特別な想いを持つ。

「1年生のときから毎年出ていますが、いつも2位。今年は関東学院六浦で(サニックスワールドユースの)世界一も経験できました。だからこそ、次はコベルコで1位を獲りたいです」

その目には、過去の悔しさと、未来への希望が重なった。

広告

一方、北関東チームのキャプテンを務めたのは麗澤高校のスクラムハーフ・松井咲奈選手。

ラグビーを始めたのは4歳のとき。出身は広島県だが「麗澤でラグビーがしたい」という強い意志で親元を離れ、今は寮生活をしている。

実を言えば、この試合メンバーで練習をしたのは「ついさっき」だったと笑う松井選手。それでも北関東チームは、スクラムで南関東に真っ向から立ち向かった。

「FWがヒットで勝ってくれました」

相手チームを捲り上げる、会心のスクラムを披露した北関東。

麗澤、國學院栃木のコンバインドフロントローたちが見せたビッグスクラムに、会場は沸いた。

季節はもうすぐ、高校生活最後の夏を迎える。

松井選手は、来るコベルコカップへの思いを口にする。

「できるだけ多くの仲間と出場して、いろんな人たちと試合をしたい。思い出に残る1年にしたいです」

ラグビーができる環境を求め、親元を離れる高校生たち。

この夏、彼女たちは自分たちの手で“記憶に残る物語”をつくりにいく。

広告