21年ぶりに関東の舞台へとたどり着いたチームがある。
神奈川県第4代表の日本大学藤沢高等学校。
第73回関東高等学校ラグビーフットボール大会が、実に21年ぶり24回目の出場だった。
今季キャプテンを務めるは、林遥陽選手。ポジションはナンバーエイトを務める。
「昨年は関東大会予選で法政二高に敗れ、出場できませんでした。前半は良い勝負ができたのに、後半に走り負けてしまったんです。だから今年は法政二高と同じ山だと決まった時から『絶対後半まで走り勝てるように』と準備をしてきました」
体力向上を目的としたランニングも、一度や二度ではない。苦しい時には「パッション」と声を掛け合いながら、全員で気持ちを高め走ってきたと振り返る。
その結果「法政二高さんに勝てて嬉しかったです」
見事21-12で勝利し、第52回大会以来となる関東大会出場を決めた。
晴れて関東大会の舞台・栃木県へとやってきた日大藤沢は、1回戦で関東大会34回の出場を誇る東京と対戦した。
序盤は互角の戦いを演じる。
トライラインを背負ったディフェンスにパッションは込められ、何度も相手の攻撃を跳ね返した。
最終的には12-40と引き離されはしたが、前半9分まではノートライに抑えたことは自信となるだろう。
「東京高校さんは、大きくてFWが強いという話をずっと聞いていました。だから絶対に『前に上がって低いタックルで刺さろう』ということ、それから『ダブルタックルでボールを仕留めよう』という準備をしてきました。最初はそれが出来ていたと思います」
だがフェーズを重ねられ、時間が経過するごとに戦況は厳しくなった。
「この暑い気温下で、体力面もまだまだ。ダブルタックルも、もっと強く刺さらないと全国でも上位の東京高校さんは倒れないな、と思いました」
関東大会に出場しなければ分からない、大きな学びを得た。
神奈川を出た、初めての公式戦を戦い終えた林キャプテンに感想を問えば「楽しかったです」と、ようやく笑った。
そして「緊張しました」と続ける。
「良いグラウンドでしたし、開会式では花園で見かけるようなチームがたくさんいて、やっぱりすごく大きくて。自分たちの体の小ささを実感しました。フィールドプレーの練習の質も、花園に出るような学校は全然違うなと思いました。だから神奈川に帰って、チームで改善して、上のチームとも戦い合えるようになりたいと思います」
大会2日目には、群馬県立高崎高等学校を相手に54-7で勝利。
Fブロック3位で、大会を終えた。