<&rugby注目選手>思いっきり勝負して取り切る。東海大仰星高校3年・大畑亮太選手

花園ラグビー場で熱戦が行われている、第100回全国高等学校ラグビーフットボール大会。出場全63校のうち、唯一2回戦から登場したのは大阪府第1地区代表の東海大学付属大阪仰星高等学校(2大会連続20回目の出場)だ。

この試合のファーストトライを決めたのは、東海大仰星の快速ウイング・大畑亮太選手(3年生)。50m 5.9秒を誇るその足で、キックパスから華麗なトライを決めた。

30年以上前からの高校ラグビーファンにとって「仰星の大畑」と聞けば、テストマッチ通算69トライの世界記録を誇る日本ラグビー界のレジェンド・大畑大介氏を思い起こす方も多いのではないだろうか。

だが、血縁関係はない。(試合後の囲み取材でも「なんども確認するんだけど」と大畑大介氏との親戚関係を確認する声が相次いだ程ではある)

この大畑亮太選手、付属の東海大仰星中学時代には既にワクワクするプレーで観客を虜にしていた。今大会の花園はもちろんのこと、大学ラグビーそしてジャパンと今後間違いなく活躍していくであろう「大畑亮太」をこの機会にぜひ、皆様に覚えて頂きたい。

囲み取材での様子を、インタビュー形式でお届けする。

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1stトライ

ーー1本目、アイコンタクトをしながらの素晴らしいトライでした

ミーティングで相手の分析をしっかりとする中で、あのスペース(10番・奥田泰進選手がキックを蹴り込んだスペース)が空いていることが分かりました。それを全員が意識しながら、意思疎通を図りながら攻めていたので、スタンドオフとアイコンタクトをとって「ここや!」というタイミングで飛び込みました。

ーー理想的な動き、でしたね

そうですね。理想とした、ミーティングで話していた通りのトライが取れたかなと思います。

ーー今日は11番としての出場でしたが、前半は特に右サイドに構えるシーンが目立ちました

11・14・15番、どこでもプレーできます。プレーの状況を自分で判断して、左右真ん中どこからでも攻撃に参加しています。

2人の『仰星の大畑』

ーー東海大仰星の大畑、といえばやはり「大畑大介氏」が思い起こされます。花園開幕直前、大畑氏からインタビューを受ける機会があったと思いますが、どういうアドバイスをもらったのでしょうか

僕のプレーは仰星にあまりいないタイプ。仰星のウイングは、どちらかというと「自分で走り切る」というよりも「ポイントを作って一歩ずつ、少しずつ前に」タイプ。自分みたいに「思いっきり勝負してトライを取りに行く」タイプがあまりいないんです。

なので自分の強みを消さないように、仰星のラグビーと融合させながら作り上げていければ、大畑亮太の良さがもっと出ると思うとおっしゃってくれました。そういう所を自分でも意識しながら、練習中もチームメイトと話し合っています。

ーー「自分で取り切る」というお手本が、まさしく大畑大介氏のプレースタイルでした。どこか意識したり、真似したりする所はあるのでしょうか

東海大仰星の大畑、といったら「親族ですか?」とよくインタビューでも聞かれます。最初は特に意識していなかったのですが、そうやって周りから言われるうちに大畑大介さんがどういうプレーをされていたのか気になって。昔の大畑さんのプレー動画を探して見るようになりましたね。日本代表で、しかもテストマッチの世界最多トライ数を誇る方。そういう所に追いつけるように、そういう選手になれるように、意識を持つようになりました。

ーー遠い親戚でもなんでもないんですよね?

全くないです(笑)

ーーはじめはプレッシャーに感じることもあったのでしょうか?

正直、中学の頃は何のことか全然分からなかった。大畑大介さんという存在を知らずに、東海大仰星中学に入学したんです。あまり興味がなかったんですよね、プロの選手や有名選手に。ところが仰星中に入ったらたまたま大畑大介さんがOBでいらっしゃって、活躍されていて。高校にあがって、少しずつ注目されて名前が知れていくうちに大畑大介さんの偉大さを知りました。

『仰星の大畑』である以上、しっかり自分も名を残して、大畑さんの顔に泥を塗らないようにと意識をしています。

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