長野県上田市菅平高原・サニアパークにて行われている、第10回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会。
予選ラウンドが行われた大会1日目、最激戦区となったのは予選Pプール。
全3試合の模様を、時系列に沿って振り返る。
第1試合 東福岡×茗溪学園
第1試合は前回大会の準々決勝カード、東福岡 対 茗溪学園の一戦。
昨年は試合終了間際に逆転し東福岡が勝利を収めていたが、今年はいかに。
試合は、茗溪学園のノーホイッスルトライからスタートした。
相手ボールが乱れた所間髪入れずに蹴り込むと、走り込んだのは2番・森尾大悟キャプテン。
東福岡のセブンズチームキャプテン・神拓実選手もすかさず戻ったが、先に抑えたのは茗溪学園・森尾キャプテンだった。
0-7、茗溪学園が先制する。
負けられない東福岡は、得意の縦で同点に戻す。
1番・沢田海盛選手が体を当てると、押し込んだ。
その1分後にもペナルティからクイックタップでスタートすれば、6番・神拓実キャプテン、9番・神園然選手とボールを繋ぎ、神キャプテンに戻せばトライ。
自らでコンバージョンゴールも沈め、14-7。
東福岡が7点のリードで、前半を折り返した。
迎えたハーフタイム。
茗溪学園は芥川俊英監督が、東福岡はこの日メンバー外となった隅田誠太郎選手が選手たちのもとに加わり、それぞれアドバイスを送った。
東福岡の隅田選手は、主力選手として同大会も出場を目指していたが、1週間前に負傷。
泣く泣くチームを離れ、現在はリハビリ生活を送っている。
今日は、大一番と睨んだ初戦。
どうしても現地で仲間の支えになりたいと両親に頼み込み、自宅のある大阪から日帰り、車でやって来た。
自宅を出発したのは朝1時。およそ7時間かけて到着した。
「本来であれば、僕が出ていた試合。だけど出られなかった分、何か伝えられることがあるのではないか、と思って。」
稗田新セブンズチーム監督に自らお願いし、ハーフタイムの声掛け役を担った。
写真右、黒いパーカー姿が隅田選手
伝えたのは「今のアタックとディフェンスを続ければいける」という力強い言葉。
外に回して、自分たちの持ち味であるスピードを出していこう、とアドバイスを送った。
「今日の試合が大事だったし、出たかったです。」
叶えられぬその想いは、仲間に託した。
円陣を解く時、7番・村上有志選手の頭を一つ撫でた
勝負の後半。
先にスコアをしたのは、茗溪学園だった。
ペナルティからクイックスタートを切ると、オープンサイドに振って6番・林勇太選手がトライ。
8番・岡本泰一選手のコンバージョンゴールも成功し、14-14。
後半3分、早速同点に戻した。
決着をつけるべく、次の得点は東福岡。
攻撃を続ける中で一度はターンオーバーを許したが、自陣で取り戻すと5番・松尾圭大選手が走り抜く。
コンバージョンゴールも成功し、21-14。
後半6分、東福岡が7点のリードを得た。
しかし、茗溪学園も追いすがる。
試合終了間際、魅せたのは5番・田村優太郎選手。
昨年の東福岡戦では2トライを奪っていた田村選手が、緩急つけたランでトライを決めた。
21-21。
東福岡と茗溪学園の直接対決は、なんと同点で幕を下ろした。
東福岡のキャプテンを務めた神拓実選手は言う。
責任感のある役割で緊張もあったが、試合前、チームメイトには「茗溪学園という強い相手に、ブレイクダウンで圧倒したい」と思いの丈を伝えました、と。
「勝てはしませんでしたが、実践してくれたなと思います。」
2戦目へのモチベーションを高めた。
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