<U17>九州・関東・近畿ブロックが決勝1位リーグ進出|KOBELCO CUP 2023 第19回全国高等学校合同チームラグビーフットボール大会

長野県上田市菅平高原・サニアパークにて行われている、KOBELCO CUP 2023 第19回全国高等学校合同チームラグビーフットボール大会。

大会1日目となる7月28日(金)にはU17チームの予選リーグが行われ、決勝リーグの組み合わせが決定した。

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U17 予選リーグ

Aグループ

<結果>

1位 九州ブロック
2位 中国ブロック
3位 東海ブロック

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九州ブロック 14-14 中国ブロック

0-7と中国ブロックのリードで前半を折り返すと、後半最初のトライを決めたのは九州ブロック。

中央付近でペナルティを得れば、タッチキックを敵陣5m近くまで伸ばした。

そこからラインアウトモールを一気に押し込み、同点トライ。

後半6分、7-7と試合を振り出しに戻す。

しかし勢いあるのは中国ブロック。

エリアで優位に立ち、ブレイクダウンでも強さを発揮する。

強い選手がボールを持ち、グラウンドのいたるところでボールキャリアとなれば、脅威となった。

すると後半10分、チャンスは再び訪れる。

まずは敵陣深くでのマイボールラインアウトをしっかりと獲得。ラックからの球出しにスクラムハーフが苦戦したが、すぐさま駆け寄りボールを拾い上げたのは4番・山根風雅選手(石見智翠館高校)。そのままサイドアタックを仕掛けると、8番・祝原久温選手(石見智翠館高校)、5番・山本力優選手(石見智翠館高校)と小刻みに繋ぎ、そのまま山本選手がポール下に押し込んだ。

7-14、中国ブロックがまたもリードを手にする。

対する九州ブロックも、続くキックオフからすぐに取り返す。

キックオフでのペナルティから5mラインアウトを獲得すると、またしてもFWのパックが一気にモールを押し込み、左隅にトライ。

難しい角度からのコンバージョンゴールだったが、ここも10番・黒坂薫平選手(東福岡高校)が正確に沈め、14-14の同点に戻した。

残り時間、互いに攻め合ったが両チームともに取り切れず。

14-14の同点で、試合を終えた。

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九州ブロック

九州ブロックはその後、東海ブロックと対戦。

26-8と勝利を収めたが、自分たちの納得するゲームはできなかった。

「コンバインドチームなので、練習時間がないことは仕方がない。その中でも勝ちきることが、自分たちの今日の目標でした。決勝リーグに向け、今日の夜と明日で準備したいです。」

そう話したのは、U17九州ブロックのキャプテンを務める瓜生丈仁選手(小倉高校)。笑顔の少ない帰路だった。

実際にこのメンバーで練習したのは、菅平に入ってから。前日夕方に到着し、30分程グラウンドで合わせただけだった。

それでも、負けなかったという事実は残る。

2試合目の東海ブロック戦では90分間の雷中断を挟んだが、中断前のスコアは7-3。そこから19点を重ねられたことをプラス材料に、大会最終日の1位リーグへと挑む。

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中国ブロック

初めての1位リーグ進出を射程圏に捉えたが、2試合目の東海ブロック戦、相手に1トライを許すと一気に勢いを失ってしまった。

「ブレイクダウンでのボールキャリアの動きだったり、こだわってきたディフェンスでの2枚目の動きだったり。やりきれなかった所が、最後取りきれなかった結果だと思います。」

そう話すは、田中文武監督(山口農業高校)。勝利が見えてくると、やり切る難しさが出現した。

キャプテンは10番・原田崇良選手(石見智翠館高校)が務める。田中監督が「精神的支柱」と表現する選手だ。

「いつもは敵同士な選手たちと、今回は同じチームで戦います。だからまずはみんなが仲良くなるために、お風呂や移動時には違うチームの選手と意図的に喋らせました。そこからラグビーに繋げよう、と思って。(原田キャプテン)」

それが功を奏したのが、初戦の九州ブロック戦だった。

だが、勝負の東海ブロック戦。1 つのミスが、焦りを生む。

「焦って焦って、エリアを取れなくなって。ストレスも溜まって、ミスが重なってしまいました。」

全員が揃って練習できたのは前日1時間半のみという環境も起因しただろうが、言い訳にはしなかった。

「挑み続けることが僕たちのテーマ。最終日もやることは変わりません。できる所で、できる場所で挑み続けます。(田中監督)」

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***

この日が人生初めての全国大会だった選手がいる。

12番・板野拓友選手(石見智翠館高校)。中学時代も含め、選抜メンバーに選ばれた経験はなかった。

飛躍のきっかけは、今春のニュージーランド留学だった。

3月末から6月中旬まで、ニュージーランドはクライストチャーチにあるセントビーズカレッジでプレーした。

務めたのは、セカンドフィフティーンのスタンドオフ。

だがラグビーの技術以上に、ラグビーそのものとの向き合い方を学んだ。

「ニュージーランドの人たちは、まず第1にラグビーを楽しんでいたんです。だから自分も楽しまなきゃ、と思って。そうしたらどんどんラグビーを好きになって。ラグビーを好きになって、日本に帰ってくることができました。」

以前はフィジカルの不安からコンタクトに恐怖心を抱くこともあったが、ニュージーランドで揉まれることでそれもなくなった。自信がついた。

それが、存分に発揮された大会1日目だった。


ボールをもらうタイミング、縦への突破、ディフェンス。サイズは小さいが、グラウンド上で最も目を引いた

中国ブロックが掲げるスローガンは『チャレンジ トップ3』。

トップ3を獲りにいこう、すなわち1位リーグに行こう、が大題だった。

そのために必要な、チャレンジし続ける精神。

田中監督は言う。この日最も体現したのが板野選手だった、と。

「彼こそが『Keep Trying』でした。」

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