Bグループ
<結果>
1位 関東ブロック
2位 北海道ブロック
3位 北信越ブロック
関東ブロック 54-0 北海道ブロック
雷による90分の中断を挟み、総試合時間2時間半以上となった北海道ブロックとの一戦。
関東ブロックが、圧倒した。
ファーストトライは前半1分。
関東ブロックボールでキックオフを迎えると、古賀龍人選手(桐蔭学園高校2年)、小林祐貴選手(慶應義塾高校)と順に左へ展開し、最後は神尾樹凛選手(國學院栃木高校)が回り込んでトライを決めた。
続くトライは、セットプレーから。
敵陣深くでのラインアウトを獲得すると、ラックを形成。フラットに受けた申驥世キャプテン(桐蔭学園高校)が体がぶつかる音を響かせながら、真っ直ぐに押し込んだ。
3トライ目は個人技。
相手のゴールラインドロップアウトをキャッチすれば、古賀選手がステップで交わしながら20mほど持ち込んでトライ。
続く4トライ目も、小林選手の個人技が炸裂。
蹴り上げたハイボールを北海道がノックオンをしたが、そのままプレーを続けた関東ブロック。
小林選手がボールを持てば、個人技で交わしながらトライを奪った。
一方の北海道ブロックも「笑顔でやったら、(流れが)こっちに来るから。びびんなよ!」と闘志を失わなければ、何度か敵陣深くまで攻め込んだ。
だが関東ブロックがゴール前で守り切り、即座に攻撃へと転じれば、完封勝利を収めた。
関東ブロック
たとえラインアウトが相手ボールになってしまっても、最初のブレイクダウンで取り返す瞬発力。
スペースを見つければ、個人技で勝負を挑む力強さ。
関東ブロック、強し。
「2019年以来4回目の優勝がターゲット」と話すのは、深沢真一郎監督(笛吹高校)。
スローガンを『FAST』に定めた。
「一番という意味の『FIRST』も込めながら、速い展開ラグビー、早い出足のディフェンスで前に出る、という意思を表しました。(深沢監督)」
結果は、スコアに表れる。
第1試合では74-0で勝利。第2試合も54-0と、あわせて128得点無失点。圧倒的だった。
能力の高い選手たちが集まるコンバインドチーム。
肝は、どれだけチームのために働けるか。どれだけ、チームになれるか。
「そういった部分を(キャプテンの申)驥世は良く理解してくれています。」
強いコンタクト力もさることながら、チームの顔として引っ張っています、と深沢監督は評価した。
移動時には違う学校の選手を誘い、意識的に仲を深めている
中学時代にも世田谷ラグビースクールでキャプテン経験を有する申キャプテン。
試合前、仲間にかけた言葉は「楽しもう」だった。
「どうせ4試合しかないんだから、楽しんでいこうと思って。それしか言っていないです」と笑った。
所属する桐蔭学園では、決まり事を遂行することがまず第一。
だがこのチームは「良くも悪くもまだ全然決まっていない。自分たちで決めていく過程が楽しくもあり、難しさを感じています」と、ふだんとは異なるラグビーへのアプローチに充実の表情を見せる。
「予選リーグではコミュニケーションもうまく取れていたし、アタック・ディフェンスともにやりたいことをやれた。みんなで話しながら攻撃の仕方を変えて、いろんなパターンでトライを取れたことが良かった」と自信をのぞかせたが、このままでは決勝リーグで勝てないとも認識する。
「もっと激しくなるであろうブレイクダウンとコンタクト。自分たちのアタックをもう一回確認して、ディフェンスではもっとプレッシャーを掛けていきたい。もっと出足が欲しいし、もっと返せるようになりたい。」
やりたいことは尽きない。
残すは大会最終日、優勝を懸けた2試合だ。
深沢監督は言った。
「関東の先生方が育ててくれた選手たちです。先生方に恩返しをする意味でも、日本一を。関東が一番強いんだぞ、という所を見せたいなと思います。」
チーム関東で、4度目の頂点を目指す。
***
埼玉県から唯一の選出となったのは、フッカーの新井靖憲選手(深谷高校)。
チーム集合日、菅平に向かう道中は緊張したというが、到着したら1日で緊張はほぐれる。
「県外の選手たちしかいないので、正直最初は結束力の部分で『ついていけるかな』と不安でした。だけどキャプテンを筆頭にみんな話し掛けてくれるので、有難かったです。」
予選リーグでは1試合目の前半、そして2試合目はフル出場を果たした。
スロワーを担うラインアウトでは確認ミスがあり、ジャンパーと合わない場面もあったが、ディフェンス面ではいくつも刺さるタックルを見舞った。
「一人ひとりのスキルが高いので、ディフェンスでは安心して前に出ることができます。」
高いレベルでプレーする楽しさを知った。
この大会における個人目標は、セットプレーで自信をつけて帰ることだ。
「関東の中でもやれる、となれば、埼玉県でも通用するはず。加えてスクラムやブレイクダウンでのスキル面では学びが多いので、チームに持って帰りたいなと思います。」
決勝リーグでは、「日本で一番速いフォワード」の一翼を担う覚悟だ。