160分間で5人のスクラムハーフが出場した明治大学は『バトル』真っ只中。筑波大学は一つひとつの成長を掲げる|菅平合宿 明治大学×筑波大学

筑波大学

「暗いムードだったので、チームを元気付けたいと思ってピッチに入りました。だけどなかなか自分のプレーで元気付けられず、悔しいです。」

谷山隼大キャプテンにとっては、これが復帰戦。

後半最後の23分間でプレータイムを得たが、試合後の表情はあまり晴れやかなものではなかった。


谷山キャプテンが登場した直後に、自らが絡んだ場面でジャッカルが決まり勢いを得た。「仲間が上手くやってくれました」と感謝する姿勢を忘れない

筑波大学はシーズン通した成長を目標に、ラグビーへと打ち込む日々。

この日は「自分たちの持っている力を出して正面から戦う」ことをテーマに挑んだ。

「ボールを持てたら良いアタックも出来ていましたが、ボールを持ち続けられない。そこが一番の課題だったかな、と思います。(谷山キャプテン)」

事実、練習ではもっと良いプレーが出来ていると自負する。それをこのプレッシャー下で出来ないこと、そこに悔しさを感じた。

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スクラム巧者な明治を相手に、この日のセカンドスクラムではタイトヘッドプロップが押し上げられた。

マイボールスクラムでも、ターンオーバーを許す。

「昨年主軸だった木原優作さん(現・埼玉パナソニックワイルドナイツ)、肥田晃季さん(現・三重ホンダヒート)が抜けたので、シーズン始まった当初から課題だろうと認識していました。もちろん取り組んではいるのですが、なかなか結果が出ない所です。」

一つひとつのスクラムを見ていけば、組み合えていたスクラムもあった。だからその確率を地道に伸ばしていきたい、と次を見据える。

谷山キャプテンは言った。

「何よりも、一つひとつ成長していくしかない。改めて課題を整理して、チームとしてブラッシュアップしていきます。」

1か月半後の再戦に向け、実り多き一戦となったようだ。

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この日筑波が奪ったトライは3本。その全てを決めたのが、途中出場の飯岡建人選手(1年生)だ。

「今日は積極的に縦に行こうと思っていました。ファーストトライの場面では、外からボールが回ってきたので裏に転がして、そのまま追いついてトライを取ることができた。練習から意識していた『裏を狙う』が試合で表現できたことが収穫です。」

3トライ目となったプレーも、相手のハイボールをキャッチしてのカウンター。誰にもボールを渡すことなく、自らでコースを探し取り切った。

高校時代はセンターを主としていたが、筑波では状況に応じてウイングも担うことになった。

アタックでは「7、8割の満足度」と及第点を口にした一方で、ディフェンス面では課題が山積みだと話す。

「センターは表のディフェンスでしたが、ウイングは裏もケアしないといけない。裏の動きが完璧じゃないし、余られた時のディフェンスはまだ改善できると思っています。」

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筑波は昨季、大学選手権ベスト4の成績を収めたが、関東大学対抗戦では5位。ゆえに春季大会はBグループに属し、昨季覇者の帝京大学や対抗戦2位の明治大学など、フィジカルを武器にするチームとの対戦はなかった。

飯岡選手にとっては、これが初めて経験する大学トップレベルの強度。

「プレッシャーが強くて、アタックテンポも速かった。自分たちが追いつかないスピードでした。帝京さんはそれを上回るんだと思うと、もっと自分たちがレベルアップしていかないと勝てないんだな、って。」

来る初めての秋に向けて、課題を認識した。

「どんなことが起きるかわからないですが、迷ったら縦に行く。1年生らしくチャレンジする秋にしていきたいと思います。」

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