「これから学校に帰って練習します。」流経大柏、選抜出場権を逃す。目黒学院はスーパー1年生のハットトリックで昌平に逆転勝ち|令和5年度 第24回関東高等学校ラグビーフットボール新人大会 1回戦

第2試合

専大松戸×山梨学院

専修大学松戸高等学校(千葉県第2代表) 0-80 山梨学院高等学校(山梨県第1代表)

試合開始0分でのトライを皮切りに、全12トライを奪った山梨学院。

13番フォトフィリ・パエア選手、14番・川住昇大選手がハットトリックを決めれば、80-0で専大松戸に完封勝ち。

関東新人大会初勝利を収めた。

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目黒学院×昌平

目黒学院高等学校(東京都第2代表) 21-17 昌平高等学校(埼玉県第1代表)

ラストワンプレーでの逆転劇だった。

先に流れを掴んだのは昌平。

前半2分、ラインアウトモールから8番・伊藤優悟選手が押し込むと、7点を先制した。

前半20分にはFWでゲインを重ね、バックスが仕留める。15番・宮本和弥選手からのパスを受けた11番・堀内久真選手がトライを決めた。

14点の昌平リードで折り返した後半は一転、目黒学院の時間が続く。

「前半は倒れてしまっていた。だから後半は立ってプレーしよう、ドライブしようとハーフタイムに声を掛けました。目黒学院の強み、良さが前半は出ていなかったので、後半はそれを出していこう、と。」

そう話すは、目黒学院・竹内圭介監督。

改善点が明確になった後半は、ラックをめくり上げ、越えていけるようにもなった。

「1人ひとりが真っ直ぐキャリーするようになって、起点を作れるようになった。横に逃げることで圧力をずらすのではなく、ラグビーの原点に返って真っ直ぐ当たれるようになりました。」

後半13分、ゴール前でのペナルティからクイックスタートを切ると、押し込んだのは8番ロケティ・ブルースネオル選手。

その4分後にも、ゴールを目の前にしたラックからボールを拾い上げた8番ブルースネオル選手がピック&トライ。

あっという間に14-14の同点に戻した。

しかし後半28分には、昌平がゴール正面でのペナルティを得てPGを選択すると、15番・宮本選手が落ち着いて沈める。

再び昌平が3点のリードを得た。

試合を締める時間帯。

緊迫した空気が漂う中、キックオフボールの落下地点でペナルティを得たのは昌平だった。

レフリーに残り時間を確認すれば、まだプレータイムがあることを知る。

選択したのはラインアウト。

タッチに蹴り出すと、ハーフウェー付近を少し敵陣に入った所でボールを投入。

だが、目黒学院にスティールを許す。

ディフェンスでプレッシャーを掛け、昌平は陣地を押し返したが、裏のスペースを見つけるは目黒学院。

キックパスを蹴り上げると、グラウンド中央でボールをキャッチしたのは、またしてもスーパー1年生のNo.8ブルースネオル選手だった。

そのままおよそ50mを走り抜き、大逆転トライ。

21-17。

目黒学院が2回戦へと進出した。

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苦しい場面で頼りになるのがスーパーエース。

3トライを決めた8番ロケティ・ブルースネオル選手は、間違いなくこの試合のヒーローであった。

だが「僕だけじゃなくて、みんなが頑張ったからこの勝利を手にできた」と『チーム』を強調する。

新チームになった今季、1年生ながら4番・フィッシャー慶音選手(2年生)とともにFWリーダーを務めることになった。

「もっとラグビーを覚えて欲しい。今まではボールキャリーで好きな時に好きなだけ行く、パスを出来たらパスをする、とやっていましたが、もっとFW全体的なこと、たとえばモールで相手がどう攻めてくるのか、などを覚えて欲しいと思っています。(竹内監督)」

昨季の中村つぐ希キャプテンも2年次からFWリーダー。その系譜を継ぐ。

相棒でもあるフィッシャー選手は「ロケティはFWリーダーになってから責任感が増したように思います。チームを引っ張っていかなければ、という気持ちをすごく感じます」と称した。

グラウンド上にもその変化は表れる。

他のプレイヤーと言葉を交わし、昨季よりもコミュニケーションを図る姿があちらこちらで見られた。

「昨年までは、3年生に頼っている後輩感がありました。でも最近は、ちゃんとFWリーダーです。(フィッシャー選手)」

ラグビーを覚え、仲間と更なる高みを目指す。

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昌平の監督陣は、最後ペナルティを得た場面でスクラムを選択させなかったベンチワークを悔いた。

チームで積み重ねてきたことを出し切れた前半。

8番・伊藤優悟選手は、この日注目されたNo.8対決へと真っ向勝負に挑んだ。

「かなりロケティを意識していました。僕が止めないと、チームが上がらない。」

ディフェンスでは何度もブルースネオル選手を止められたこと、ボールを持てば思いっきり当たって強みを活かせたこと。

ファーストトライとなったモールでも押し込めたこと。

FWリーダーとして、役目を果たしたことに「70点」の及第点を自身に与えた。

だが、後半はどうしても足が止まる。苦しい時間帯に、相手のギアは上がった。

「リザーブの層が薄いことが課題。そこを選抜に向けて改善していきます。」

船戸彰監督は、相手のキーマン・No.8ブルースネオル選手を前半は2人で止められたことに「収穫があった」と話した。

開催権枠で出場する全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会に向け、チャレンジの日々に向かう。

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