3位決定戦
熊谷工業 43-0 浦和
前半8分、5番・横山翔選手のトライを皮切りに、全7トライを奪った熊谷工業。
試合導入の時間帯には、かたい浦和の守備を前にミスが続いたが、次第にペースを掴む。
前半ラスト10分間で3トライ、後半開始15分で3トライと勝負所でたたみかけ、快勝した。
熊谷工業
0-59。
準決勝・昌平戦では、衝撃的な数字が並んだ。
接点で圧倒され、スクラムでも押し負ける。
「スクラムで押されるケースが、今季これまでほとんどなかった。そのゲーム展開に慣れておらず、全部が後手になってしまった」と橋本大介監督は振り返る。
だから1週間、こだわったのは接点。
気持ちを持って前に出る、熊谷工業のコリジョンを再確認した。
「前半は良い試合の流れでした。準決勝の反省点を表現してくれた」と橋本監督は評価する。
チームキャプテンの2番・小澤勇斗選手は、準決勝での反省点を「チームにとってマイナスなことが起こった時に、声を出すことができなかった」ことに見出す。
マイナスにマイナスが重なってしまうと、雰囲気が悪くなってしまう。だからこそ「この1週間、練習中にミスしたプレイヤー自身が声を出すよう意識してきた」という。
それでもミスはつきもの。どうしたって、気持ちは落ちる。
だから、そこは熊谷工業のキャプテンとして。
「リアクションの声を出すことに意欲的な選手を増やせるように。キャプテンとしてみんなを引っ張れるよう、声だけは人一倍、絶対に出すようにしています」
プレーだけではなく、チームが上向く姿勢を追求する。
10人超の1年生が入部し、3学年合わせて50名弱をまとめるチームのキャプテンとなった小澤選手(中央)
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関東大会には県北勢唯一の出場となった。
「1位通過を目指していましたが、結果3位。今でも悔しいです。関東大会という成長できる舞台に、全力で挑んでいきたいと思います」と小澤キャプテンが口にすれば、橋本監督も「2試合成長できるチャンスをもらえたからこそ、様々なことに挑戦したい」と2年ぶりの関東大会の場を待ち望んだ。
浦和
よりボールに近い内側のディフェンスに力を入れ、1週間準備をしてきた浦和。
だが「最初に内でやられたら、次は無謀に詰めすぎて大外でやられる、と熊谷工業さんに良いようにゲームメイクされてしまいました」と山本義明監督は振り返る。
浦和らしさを出し切れないゲームになってしまったことを悔やんだ。
ミスも1つ起これば、2つ3つと立て続けに起こった。
ペナルティ数は、この日最多となる12を数える。
少なからず精神的なことが影響したのでは、と山本監督は慮った。
それでも「他県との練習試合は限られたチームとの対戦のみ」という浦和にとって、2019年以来となる関東大会出場は大きな意味を持つ。
「県外の強豪校と対戦ができる。いろんな学びを得て欲しいです(山本監督)」と前を見据えた。