躍動した慶應義塾FBは、宮崎からの一般受験生「ワクワクする選手に」法政第二CTBは「もっとワガママに」成長する|第72回関東高等学校ラグビーフットボール大会 神奈川県予選会・3位決定戦

法政第二

ボールを動かし、良いランナーがいるバックスへとボールを供給することで、相手ディフェンスを崩す。

「人と人の間を抜き、展開して(相手DFを)崩そうとしていました」とのゲームプランを明かすは、原礁吾監督。

だが展開途中でチップキックを蹴り、ボールを相手に渡してしまった前半。流れを掴めなかった。

「コンタクトから逃げてしまったのかな」と監督が話せば、ゲームメイクを担った12番・冨澤凛太朗選手も「敵陣だったのに裏に蹴って逃げてしまった」と続ける。

「自分たちに自信がなかった。あそこで自分が『縦に行く』と言わなきゃいけなかった」と反省した。

だから、ハーフタイムの修正点はシンプル。

「ラグビーはそうじゃないだろう。しっかり体をぶつけないと、裏へのキックは効かない。後半、まずはコンタクトをしよう」と原監督は送り出す。

覚悟を決めた選手たちは、ボールキャリアーが体を当て、後半最初のトライを奪った。

それまではキックの多かった富澤選手も「ゲインしなければ」とボールを前に運ぶ回数が増える。

「勢いが出ましたね」とは原監督評。

ボールを動かし、リズムを作った。

後半だけの点数では3点上回ったものの、前半の失点が響き敗戦。

関東大会では、神奈川県4位としてEブロックでの出場が決まった。

2年連続ブロック優勝を果たしているため、今年も「参加できるブロックで、しっかりと優勝したい(原監督)」と目標を立てる。

1回戦は、群馬県2位の桐生第一高校と対戦する。

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もっとワガママに

この日最も爪痕を残したのは、12番・冨澤凛太朗選手。

「強いし、速いし、キックも蹴れる」と監督が信頼を寄せるとおり、たくましい姿をピッチ上で見せた。

入学当初からインパクトはあった。

だが昨年までは、1学年上に高校日本代表候補だったWTB平野仁選手が。

キープレイヤー中のキープレイヤー。そこにボールを運ぶことが、一つの戦術だった。

「先輩たちが卒業したら、FWのサイズも落ちました。だからバックスが勝負しないといけない、と思うようになって。でも新人戦の頃は経験がなかった(冨澤選手)」

原監督曰く「周りを活かそうと遠慮していた」という。

だから、声を掛ける。

「もっとワガママに行けよ」

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そこから、更なる練習を始めた。

カウンターにステップ、自分でボールを前に運ぶためのスキルを磨いた。

「勝手に育っていきました」と笑った原監督。

今大会、大きな殻を一つ破った。

冨澤選手が大切にするのは「楽しむ気持ち」だ。

ラグビーを好きになったのは、友だちと楽しくラグビーができるようになった中学生の頃。

「ラグビーが好きだという気持ちを忘れないこと。好きだからこそ、上手くもなりたいです」

友だちと切磋琢磨できる環境が好き、と見せるその笑顔で、更なる成長を狙う。

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