Aブロック決勝は、國學院栃木×桐蔭学園に「明日は根性バトル」|第72回関東高等学校ラグビーフットボール大会

令和6年度 第72回関東高等学校ラグビーフットボール大会が開幕し、6月8日(土)には1回戦 全14試合が行われた。

Aブロックでは國學院大學栃木高等学校と桐蔭学園高等学校が勝ち進み、2年連続となる決勝カードが決まった。なお昨年は14-7で桐蔭学園が勝利したが、今年の関東新人大会では10-7で國學院栃木が勝利を収めている。

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Aブロック

【1日目】

①12:30@熊谷ラグビー場Aグラウンド
昌平高等学校(埼玉)10-43 桐蔭学園高等学校(神奈川)

試合開始直後から、昌平がディフェンスで前に出続けた。

相手は、先のサニックスワールドユースで世界2位の座に就いた桐蔭学園。

だがブレイクダウンでペナルティを得ると、相手陣深くに入り込み、強気にラインアウトからのトライを狙った。

功を奏したのは前半22分。相手ペナルティでスクラムを選択すると、オープンサイドに展開し、最後は14番・山口廉太選手がポール横に押し込む。

沸く会場。15番・宮本和弥選手のコンバージョンゴールも成功し、昌平が7点を先制した。

その後互いに1本ずつPGを決め、10-3と昌平の7点リードで折り返すと、桐蔭学園は後半開始から一気にメンバーチェンジ。

後半7分に同点に追いつけば、そのまま怒涛の6連続トライを決めた。

最終スコア10-43。

桐蔭学園がAブロック決勝進出を果たした。

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桐蔭学園

想像以上だった昌平のディフェンス力を前に、前半ノートライ。相手には1トライを与え、7点のビハインドで前半を折り返した。

この日、桐蔭学園の先発を務めたのは、全てBチームの選手たちだった。

「途中で替えるより、後半パッと替えてしまった方がいい」と、藤原秀之監督はハーフタイム明けに6人のフレッシュレッグを投入する。

後半3分、7分にも1名ずつ投入すれば、流れを一気に引き寄せた。

本来であれば「もう少し頑張ってほしかった」という藤原監督だが「1点でも負けていたら替える。勝ってたら粘る。早いジャッジです。試合の流れを変えるには、3倍の力がかかる」と潔かった。

だからこそ、後半から投入された4名の高校日本代表候補を含むAチームの選手たちは、接点で強さを見せつける。

弾き飛ばしながら、ボールキャリアー1人ひとりが前に出て主導権を握った。

「ブレイクダウン、モール、一つひとつのコンタクトでファイトすることが桐蔭のFWには必要」と気を吐いたのは、後半のゲームキャプテンを務めたNo.8新里堅志選手。試合前には「勝っていても負けていても想定通り」と、前半メンバーを送り出した。

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1週間前には、この試合にはBチームが出場すると藤原監督から伝えられていた。

だからこの結果は「チームとしての準備不足」と新里選手は話す。

「Aチームの人間が、Bチームを高められなかった。チーム内の遠慮も感じました。そこの”ぬるさ”が、試合の入りに繋がってしまった」と振り返る。

だからこそ「Bチームだけの責任じゃない」と断言した。

「Bチームのメンバーが、腹落ちしないミーティングをしてしまいました。本当はAの人間は黙っていた方が良かったんですけど、自分もヒントを与えすぎてしまったかな、って。自分たちがどういう試合にしたいか、という言葉がBの人間の口からあまり出てこなかった。Aチームの人間が言ったことに対して、Bチームの人間が賛同してしまった前日ミーティングでした。試合に対する情熱、気持ちがやっぱり足りなかったと思う。Aの人間に反対してでも『俺たちはこういう試合にしたい、チャレンジしたい』という言葉がBチームから必要だったかな、って」

チーム力の底上げには、チャレンジが絶対条件なのだ。

この日の先発メンバーの収穫は「試合に出たこと。なにもなかったですね。これで、次のチャンスは残りの(Bチーム以下の)メンバーと、1年生。チャンスは、次のメンバーに行きます。そういう話を(選手たちには)していました」と名将は厳しく評価した。

関東大会王者が獲得濃厚となる、花園Aシード。

是が非でも欲しいAシードを懸けた戦いは、國學院栃木との一騎打ちとなった。

2月に行われた関東新人大会では、3点差で國學院栃木に軍配が上がった。

自分たちの規律の乱れからPGを狙われ、追いつけなかった3点。新チームが始まって以降、大切にしているスローガン『律』に立ち返るプレーが、この大一番でいかに発揮できるか。

「秋以降に向けて、これが分岐点になると思う(新里選手)」

明日は根性バトルになる、と頼りになるNo.8が目を光らせれば、藤原監督も「関東大会の決勝にふさわしいゲームになるように」と笑みをみせた。

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昌平

磨いたディフェンスで勝負を仕掛けた昌平。

ブレイクダウンで相手の反則を誘い、スクラムでも押し勝った。

桐蔭学園の十八番であるカウンターラックも、前半は1度に抑える。「セカンドマン、サードマンと意識してきたプレーが出せた」と船戸彰監督は言った。

前半22分には先制トライを奪う。会場も、大きく沸いた。

だが後半、桐蔭学園が高校日本代表候補4名を含むフレッシュなメンバーを続々と投入すると、昌平は「ガス欠(船戸監督)」。追加トライを奪うことはならなかった。

それでも、大きな成長を遂げていることは確かだった。

試合の入りを意識しプレーしていた冬。

春は、前半の30分間を戦う体力を身に着けた。

だからこそこれからは、後半最後まで走り続ける体力、集中力、そして思考力を60分間持ち続けることが、悲願の花園年越しに向けて必要不可欠。

大会最終日は、関東新人大会で逆転負けを喫した目黒学院との再戦。

どちらがどれだけのチーム力をつけたか、を競う戦いに挑む。

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