4月28日から5月5日まで行われた、サニックスワールドラグビーユース交流大会2024。
大分東明は、全体7位で大会を終えた。
5日5日の最終戦。
東海大相模との7位決定戦は、キックオフ直後からの5連続トライで勢いを掴んだ。
一時は33-0とリードしたが、しかし最終的に6トライを返され47-40。
辛勝、だった。
大会5日目の疲労。
試合中、チームとしての改善点を口にできる選手も、いなかった。
「目の前の相手しか見ていなかった。周りに気配りもできていませんでした。いつもだったらオフサイドをしないために『2シューズバック(靴2足分後ろに下がること)』というコールも出るのですが、それもなかった」
LO石川波潤キャプテンは、敗因を話すかのように振り返った。
チームの大黒柱・石川キャプテンは、今大会1・2日目に出場。
しかし手術明けの肩をふたたび痛め、3・4日目は出場を見送った。
だが最後の一戦は、と前半のみの出場を決意する。
「1日目のナミビア戦と2日目のイングランド戦は、全部自分が(ラインアウトのサインを)選択して。全部キレイにとって、全部モールで押せていましたた。バックスがどれだけ体を張ってくれていても、セットプレーで負けたら勝てない」と、チームへの気持ちは溢れる。
新チームが始まって以降、ラインアウトのサイン選択はすべて石川キャプテンが担っていたがゆえ「自分が出ないと負ける」と断言できる強さがあった。
大分東明のキャプテンとして、大切にしていることがある。
「発言に対して仲間がついていけるような、チームの雰囲気が変わるような、そんなキャプテンであることが大事だと思っています」
自らの言葉一つにも、チームのまとまりを背負う。
もちろんキャプテンとして、仲間に檄を飛ばさなければならない場面も往々にしてある。
だが、最後には必ず仲間を鼓舞する言葉を忘れない。
「自分の交替で出た人が、緊張でいつもどおりのプレーできていませんでした。だからウォーターとして試合中の円陣に入って、言葉を掛けました」
石川選手の怪我が続く中、代わりにグラウンドに立ったのは同級生の寺原智哉選手。
怪我が続き、これまでの2年間は手術生活を送った。最上級生になった今年、ようやく復帰できたかと思えば、すぐさまスタメン。
「試合も経験したことがない。そりゃ、緊張もすると思います」
だから石川キャプテンは、寺原選手が前を向ける言葉を投げ掛けた。
主将として、仲間として。
「おまえのことをみんなが信頼している。誰も文句言うやつはおらん。しっかりプレーしてこい」
寺原選手は、緊張から言葉を返すことはできなかったというが、しっかりと頷いた。
「ともやは一番デカくてパワフル。そこに自信を持ってくれたら、絶対に強いんです」
数々の強い言葉は、仲間への信頼が根底にあるからこそ、なのだ。
大分東明はサニックスワールドユースをとおして、ディフェンス面で大きな成長を遂げた。
「大阪桐蔭との試合(7-27で敗戦)を経て、全国に通用する感覚も得られたと思う。自信になりました。だからこそ完璧なコンディションで試合ができるよう、チーム全員でコンディションに関する知識を上げていきたい」と誓う。
目標は、花園優勝。
そのためにも絶対手に入れたいシード権を狙うべく、6月18日(火)第77回 全九州高等学校ラグビーフットボール競技大会で東福岡と1位ブロック決勝戦を戦う。