東福岡が桐蔭学園に51-15で勝利。キャプテンが見せた背中に「心を動かされた」|菅平合宿2024

お盆の時期には全国から高校ラグビー部が集う長野県は菅平高原。

8月12日(月)には、桐蔭学園高校(神奈川県)が東福岡高校(福岡県)と対戦し15-51。

東福岡が桐蔭学園から今季初勝利を収めた。

&rugbyを応援する

試合内容

桐蔭学園ボールでキックオフすると、最初に攻撃の主導権を握ったのは東福岡。

左右にグラウンド広くボールを動かし、機会をうかがう。

しかし何度目かのエッジにボールを運ぶタイミングでノックオンになると、ミスを逃さなかった桐蔭学園。

そのままボールを保持し続ければ、一気にインゴールまで持ち込んだ。

前半6分、桐蔭学園が5点を先制する。

その後は互いに好プレーが続いた。

桐蔭学園はSH後藤快斗選手がテンポよくボールを捌きながらフォワードとバックスを動かす。

対する東福岡は、2年生の左プロップが相手チームキャプテンへのノックオンを誘う好タックルを決めれば、その後も3年生ロックが相手ボールラインアウトをスティール。

時にはスローフォワードでボールを明け渡すこともあったが、徐々に陣地を前に進めると、敵陣22m付近でハイタックルのペナルティを獲得した。

するとペナルティゴールを選択し、点差を縮めることを選んだ東福岡。

1年生スタンドオフの橋場璃音選手が蹴り上げれば、スコアボードを動かす。

5-3と2点差に詰めた。

スポンサーリンク

このまま勢いに乗りたい東福岡は、FB三好倫太郎選手が相手ディフェンスの裏に出ると独走。

ゴール中央に走り込み、チームファーストトライを奪った。

SO橋場選手のコンバージョンゴールも成功し、7点を追加。

5-10とこの日初めてリードを奪った。

一方、黙っているわけにはいかない桐蔭学園は「逃げるなよ、この瞬間から」「自分たちの武器出そうよ、焦る場合じゃないよ」と声を掛け合う。

すると息を吹き返す2連続トライは生まれる。

エッジでターンオーバーすると勢いのあるアタックを続け、FB古賀龍人選手が抜け出しそのままトライ。

続いても鮮やかなキックオフカウンター。

左サイドでの細かなパスワークでディフェンスを振りほどき、最後はSH後藤選手がトライを奪った。

しかしいずれのコンバージョンゴールも不成功となり、追加得点は10点に留まる。

15-10、桐蔭学園が再びポイントリーダーとなった。

シーソーゲームとなった前半。

続くキックオフ前、桐蔭学園No.8新里堅志選手は「もう一本取ったら流れ完全にこっち来るから。腹決めるぞ」と声を掛ける。

もう少しで、流れを掴みきるはずだった。

だが、終盤に得点を追加したのは東福岡。

FWが体を当て、接点で前に出れば2年生FL・内田瑛佑選手が俊足を活かして切り込みトライ。

続くラストアタックでもモメンタムを持ったアタックをみせれば、たまらず桐蔭学園は自陣ゴール前で再びのハイタックル。

PGを沈めた東福岡。

15-20と、東福岡が逆転して前半を折り返した。

スポンサーリンク

ハーフタイムを挟んで迎えた後半。

持ち前の修正力でトライを狙いたい桐蔭学園と、接点で前に出てミスなく攻撃を続けたい東福岡のラスト30分は、思わぬ大差がついた。

相手が圧力をかけてきたラックから球を捌いたのは、東福岡のSH中嶋優成選手。

13番・14番と外側のプレイヤーにボールは繋がり、トライ。

後半最初のトライを奪い、15-27。

続くキックオフ前、東福岡のNo.8古田学央キャプテンは「ヒガシ、ここやここ!」と声を掛ける。

勝負の分かれ目。集中力を全員が高めた。

すると相手の連続ペナルティから敵陣に入り込み、この日3本目となるPGを選択した東福岡。

3点を追加し、15-30。ダブルスコアをつけた。

対する桐蔭学園は、敵陣5mでのラインアウトチャンスを得てモールを狙ったが、押し込めない。

完璧なモールディフェンスをみせた東福岡。守り切る。

スポンサーリンク

ディフェンスで勢いを掴むと、次なる東福岡のトライもディフェンスから。

再び自陣ゴール前まで桐蔭学園に持ち込まれたものの、桐蔭学園・FB古賀選手が裏へ小さく蹴り上げたボールを東福岡・FB三好選手がキャッチすれば、ゴール前でボールを繋いだ東福岡。

6番・内田選手がまたしても自陣でラインブレイクし、そのまま走り切った。

15-37、22点差をつけた。

糸口を掴みたい桐蔭学園は、浅めにキックオフを蹴り上げる。

だがキャッチし続けたのは東福岡。

50:22からアタックを継続すれば、またもや得た敵陣でのペナルティ。

点差が開いたタイミングではPGを狙わず、タッチに蹴り出せばラインアウトモールを一発で押し切った。

15-44とリードを広げた。

スコアは離れた。セーフティリードを得た東福岡。

だが、最後まで東福岡らしく戦い続けるために。

「やること同じよ!何も変えんな、戦い方一緒よ!」と最後尾から声を出したのはFB三好選手。

最後の攻撃も、改善されたハンドリングを活かしたトライで1年生WTBがトライを取り切った。

この日、東福岡が決めた得点は前後半あわせて6トライ6ゴール、3ペナルティゴール。

プレイスキックを全て成功させたのは、1年生スタンドオフの橋場選手。得点で相手にプレッシャーを大きく与えた。

接点で前に出て、ブレイクダウンでプレッシャーを掛け優位に立つと捌ききり、強くて速いFWが仕事をした東福岡。

バックスはミスを恐れずボールをワイドに繋いで、ルーズボールになれば真っ先に飛び込んだ。

一方の桐蔭学園は後半、敵陣深くに入り込むことは数えるほどに。

後半はなんと、ノースコア。

トライで勢いを得ようとした桐蔭学園。

スコアにこだわった東福岡。

東福岡が、勝負に勝った。

スポンサーリンク