9月8日に開幕した、令和6年度 第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選。
9月29日には3回戦が熊谷ラグビー場B・Cグラウンドで行われ、ベスト8が出揃った。
なお準々決勝は11月2日(土)、熊谷ラグビー場Aグラウンドで実施される。
準々決勝 組み合わせ
10:05 昌平(A1)×本庄第一
11:50 慶應志木(B5)×浦和(A4)
13:00 熊谷工業(A3)×熊谷高校(B6)
14:30 川越×川越東(A2)
昌平(A1)116-0 川口
今季、埼玉4冠を目指す昌平。
右サイドに10番・宮本和弥選手、中央に15番・小林利仁選手、左サイドに14番・山口廉太選手が並び、グラウンドのどこにボールを回しても決定力のあるランナーが隙を突く脅威を見せつけた。
ファーストトライを飾ったのは、エースウインガー・山口選手。
「去年は活躍できなくて、一昨年は先輩たちに助けてもらいました。今年は、かつての先輩たちの役目を自分が出来たらな、と思います」
1年時から先発出場し、花園の舞台も経験している山口選手。
いよいよ始まった、ラストシーズンのノックアウトステージの封切りゲームで全4トライ。
仕事を全うした。
「点数よりも、自分たちのラグビーができることにこだわっていました。ペナルティゴールも許さず、0点に抑えられたことは大きいです」(15番・小林選手)
3点をなくすために自陣でのペナルティには細心の周囲を払った初戦。
王者、自陣での反則をゼロで終えた。
本庄第一 33-7 正智深谷
「勝てましたが、自分自身良いラグビーはできなかった。フラストレーションが溜まっちゃって、冷静にプレーできなかった」と振り返ったのは、本庄第一の共同主将を務める3人のうちの1人、澤田晃希選手。
「キャプテンなので、自分が一番冷静じゃないといけないのに、自分が自分のプレーでフラストレーションを溜めてしまいました。反省します」
次戦の相手は、第1シードの昌平。
「いかにチャレンジできるか。良い準備をするしかないです」
チャレンジの11月へと向かう。
慶應志木 54-0 城西川越
「夏は暑いから、ボールを動かすこととディフェンスしかやっていない。モールは一切やっていないので、10月に入ったらようやく練習を始めます」と話すは、慶應志木・竹井章部長。
この日は城西川越をシャットアウト。意志の統一されたシャローディフェンスを見せつけた。
10月は付属校の強みを生かし、慶應義塾大学と合同練習を行う。
「11月には完成させます」という慶應志木のラグビーで、準々決勝は浦和とのモール対決へと挑む。
所沢北 0-36 浦和(A4)
石井浩貴主将の怪我により、この日浦和のゲームキャプテンを務めたのはLO山﨑太雅選手。
公式戦では初となるゲームキャプテン。「自分が一番、焦っちゃっていた」と振り返る。
最大の武器であるモールを組みたかったが、ラインアウトが安定しなかったこと。モールの中でも対策を講じられ、やりたいことができなかったことに悔しさを滲ませた。
高校日本代表候補の山﨑選手。
9月上旬には高校日本代表候補の合宿に参加し「俺がこのチーム(浦和高校)を引っ張っていかなきゃいけない、と強く思うようになった」という。
「高校日本代表候補の合宿中には『僕たちが戦うのは、日本の中じゃない。世界を相手にしているんだ』と、ずっと言われていました。僕もそのうちの1人としてしっかりやっていきたい。だとしたら、ここで僕が浦和高校を引っ張っていかなきゃその先には絶対続いていかないな、と思っています」
身長190㎝、体重105㎏。一時は108㎏まで増やしていたが、瞬発力が鈍り減量した。
整った心技体で、チームを勝利に導くプレイヤーへ。
「準々決勝の相手は慶應志木。僕たちの頭をフル回転させて、いろいろな想定をして、準備します。まずはフォワード。絶対負けられないです」
一方、敗れた所沢北は28名の選手全員が初心者。
岡田翔監督は「プレッシャー下でのアタック練習をシビアに、よりリアルを追求していくしかないと学びました」と話した。
2年前、同じく3回戦で浦和に敗れ、ベスト8入りを逃した所沢北。
敗因はフィジカルと明らかだった。
そこから始まった、フィジカル強化の日々。ウエイトトレーニングと、マネージャーが握るおにぎりが習慣化した。
8人のマネージャー陣は毎日、1人1合分のおにぎりを用意。チーム一丸、戦い抜いた。
「やってきたことをやって、最後もチャレンジしてスコアをされました。2年前のベスト16とは違う表情で終えられたと思います」
下級生は18人が残り、新人戦にも単独チームで出場することができる所沢北。
新たなリスタートを迎える。
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