目黒学院、7トライを決め優勝「このチームでまだラグビーができる」。成城は12年間のラストゲームに涙|第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会東京都予選 第1地区決勝

成城学園、12年間のラストゲーム

高校日本代表候補にも選ばれている、成城学園WTB/FB仲西祐太選手。

エースとしてチームの中心選手であったが、直前で左足首を負傷。

この日は背番号21をつけ、ベンチから戦況を見守った。

ピッチに立ったのは、後半26分。無理を押しての出場だということは、足を引きずりながら歩く姿からも明らかではあったが、それでもラスト数分に全てを懸けた。

「僕たち、小学校から一緒にラグビーをしてきたんです」

メンバー表に並んだ3年生の名前は、14人。

数名は中学から加わったが、12年間にわたって一つの楕円球を追いかけた仲間がほとんどだった。

「10年前、國學院久我山に7-10で負けたあの決勝戦を、小学生だった僕たちはスタンドで一緒に見ていました。それが昨日のことのように思い出されて。10年経って、今日自分たちが決勝の舞台に立って戦えた。すごく感慨深かったです」

3年生の中には、これがラグビープレイヤーとしてのラストマッチだった選手もいる。

ラグビーを続けても、他大学に進学する選手だっている。

これが、この仲間でできる、ラストゲーム。

後半29分、SO井手晴太選手が決めたファイナルトライに、声をあげ駆け寄り、涙を流した選手たち。

12年分の想いが込められた。

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10年前の決勝戦前に書き記された、決意の横断幕がある。

『この壁を超えろ』と中央に大きく書かれたその幕は、昨年までは決勝戦のベンチ裏に掲げられていた。

だが今年は、ロッカールームに留めることに。

「覚悟を持とう、自分たちに集中しよう、という意味でした」

10年前の悔しさを晴らすためにプレーしているわけではない。

いまの自分たちが、いまの自分たちのためにプレーをする。

その覚悟を示した。

父は成城学園高校ラグビー部監督の仲西拓氏。

これからは、父と子に戻る仲西選手。

怪我を押しての決勝戦出場。

監督&選手としてのラストゲームには、気合いと覚悟、友への愛情が溢れていた。


6番・林蒼太朗選手は、目黒学院の選手1人ひとりに「がんばって」と声を掛けながら挨拶を交わした

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