ジャパンラグビーリーグワン ディビジョン1に属するリコーブラックラムズ東京は、11月29日、プレシーズンマッチ・横浜キヤノンイーグルス戦のキャプテンズランを昭和女子大学 中央グラウンドで実施した。
きっかけは、タンバイ・マットソン新ヘッドコーチの提案だった。
「接戦を勝ち切れなかった昨シーズン。人が見ているプレッシャー下でも正しい判断ができるように」との願いから、ふだんとは異なる環境でキャプテンズランができないかとの模索が始まった。
そこで力を貸したのが、2021年に「リコーブラックラムズ東京×昭和女子大学 パートナーシッププロジェクト」協定を締結した、昭和女子大学。
ホストエリア世田谷区に位置する昭和女子大学とはこれまで、プロジェクトメンバーによるホストゲームにおける企画の立案・実行、昭和女子大学内カフェの展示、昭和女子大学秋桜祭でのラグビー体験会などを経て、関係性ができ上っていた。
選手育成の側面をコーチ陣が求める一方、地域密着という観点でも新たな一手を探していたのは事業部隊。
東京23区で最も人口が多く、また大田区に次ぐ広さを誇る世田谷区においては、いまだ同チームの認知度は15%に届かない。
そんな現状を打破しようと、地域密着の側面からも新たな試みがスタートした。
この日のキャプテンズランをグラウンド脇から見つめていたのは、昨季から同パートナーシッププロジェクトに携わる昭和女子大学3年・真鍋里緒さん。
「昨年活動する中で、もっとやってみたいと思うことが生まれた。それを実行するために続けました」と話す彼女は、今季のリーダー的ポジションを務め、インスタグラムでの動画を活用した発信に力を入れている。
また父がかつて社会人チームでプレーしていたという内藤麻由さん(大学3年)は、「大学の勉強が少し落ち着いた3年生からプロジェクトに加わった」という。個々人の勉学の状況にあわせた流動性も、同プログラムの持ち味だ。
ラグビー強豪校・國學院栃木高校出身の磯部優花さん(大学1年)は「文化祭でラムまるとコラボした綿菓子を販売したら、プロジェクトのインスタグラムフォロワーが100人増えた」と笑顔を見せる。
社会に出る前に社会課題について考え解決策を実施する、そこまでを試すことができる同大学における学生プロジェクトは、100あまり。
その中からこの『昭和女子大学ラムガール』を選び、またラグビーを通じて世田谷区を元気にという女子学生たちの取り組みによる相乗効果が、今後一層期待される。
またこの日は、同大学の敷地内にあるブリティッシュスクール・イン 東京 (The British School in Tokyo)の児童・生徒らがキャプテンズランを見学。
練習終わりには質問タイムが設けられ、「週にどれぐらいトレーニングするのか」「持ち上げられるベンチプレスの重さは」など活発な質問が飛んだ。
その後は、方々で即席のサイン会が。
履いている靴や頬にまでサインする姿は微笑ましく、和気あいあいとした雰囲気の中、終了した。
初の試みを終えた、主将4期目となる武井日向選手は「これからも積極的にやっていきたい」と笑顔を見せた。