【2回戦】燃え続ける『燎』を掲げる東福岡、『氣』をもって行動し続けたい桐蔭学園。2連覇よりも『力をつけようぜ』は大阪桐蔭|第26回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会

3月22日(土)に開幕した第26回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会。

25日(火)には2回戦ならびにコンソレーション戦(敗者戦)が行われ、ベスト8が出揃った。

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3月25日(火)2回戦

東福岡 56-21 関西学院

「ビクビクよね、去年のトラウマがまだ・・・」と話したのは東福岡・藤田雄一郎監督。

2大会ぶりのベスト8入りに「このレベルは簡単じゃない。関西学院も強い」と、安堵の表情を見せた。

「日本一のFWを作らないと日本一にはなれない」と、今年も例年どおりFWの選手が東福岡のキャプテンを務める。

須藤蔣一選手。昨年はフッカーとして戦ったが、今年はNo.8との兼任になる見込みだ。

「1年生の頃から花園を経験している古澤(将太、フランカー)には、大将になってもらいたい」と役割分担。

「(須藤)蔣一が(キャプテンに)適任」と、全幅の信頼を置く。


FL古澤将太選手

チームを託された須藤キャプテンは、埼玉県出身。東福岡史上初めて、埼玉県出身選手がキャプテンを務めることになった。

「強いFWにずっと憧れていた。誰よりも体を当てて前に出るFWを体現したかった」と、小学6年生の時に目にした東福岡の姿に憧れ、入学を決意した。

藤田監督からは「覚悟を持って引っ張っていけ」と言葉をもらい、スタートを切った今季。

「背中で語るのが東福岡のキャプテン。口だけではなく、行動で表せるキャプテンを目指したいと思います」

走って、体を当てて、ボールを奪い返しに行く。グリーンの8番をつけるからには、そんな姿を見せなければならないと心得る。


須藤蔣一キャプテン

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今年のスローガンは『燎(かがり火)』に決まった。

燃え続ける炎、フェニックス(不死鳥)から発想を得た。

「昨年の全国選抜大会では1回戦で負けて、東福岡としてのプレーが全然できなかった。今年からは東福岡というプライドを背負ってしっかりと燃え続けよう、上を目指していこうという意味が込められています」と説明する。

もう一つ。

新チーム始動にあたり、提示されたものがある。

『フェニックス・ベーシックマニュアル』。

藤田監督が「うまくいかなかったら、ここに戻る」という事項をまとめた、手引書だ。

その中身は、至ってシンプル。

キックチャージに全力であること。

フィフティー・フィフティーのボールをしっかりと獲得すること。

常に隣と、仲間と情報を伝え合うコミュニケーションとそのボリューム。

攻守切り替え時に、素早くポジショニングすること。

「これを忘れたら勝てない、というポイントをまとめました。試合前にはリーダー陣から、絶対1回は伝えています」(須藤キャプテン)

当たり前のことを当たり前に。

意識してできることを、一生懸命にやる。誰にでもできることを、誰よりもやる。

意識すればできることを相手よりも徹底的にやり切るチームは、負けない。

東福岡の今大会の目標は「一戦一戦を勝ち切ること」。

優勝ではない。日本一でもない。

目の前の試合に勝ち切ることで、見える景色を掴みに行く。

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