常翔学園 33-46 桐蔭学園
「まずはこんなもんでしょう。クタクタでしたね。こんなもんかな、という現状でした。力はないですね」
試合後の、桐蔭学園・藤原秀之監督の一声目だ。

◆
桐蔭学園は、昨年の全国選抜大会でスタンドオフを務めた竹山史人選手が10番に復帰。12番に坪井悠選手を据え1・2回戦を戦ったが「色々なやり方があります。模索しながら色んなパターンを考えています。今日はここまで」と説明した。
この日の相手・常翔学園とは、昨年の全国高校ラグビー大会前にも練習試合を行った仲。毎夏、菅平でも戦っているが「タメになる。次に繋がることを常翔学園はやっています。『FWの直球と分かっていても』というのが、常翔学園の突き詰めるすごいところ。そういう選手を作り上げていますよね」と、春に直球勝負ができる有難みを語った。
◆
一方、今季主将を務めるHO堂薗尚悟キャプテンは常翔学園戦を終え、学びを口にする。
「体の当て方、自分たちのディフェンスが受けていること。自分たちの体が小さい分、もっと自分たちが上げないと相手は止まらないということが分かりました。ストレートに来てくれたので、ディフェンスもアタックも自分たちから攻めていかないといけない、ということを学びました」
◆
今年のスローガンは『氣』に決まった。
「ラグビーに対して、1人ひとり意志を持っていないことが今年の課題。『俺はこうしたい』『俺はこう思うけど、どう思う?』というコミュニケーションが、今年は全然ないんです。だからまずは自分の中で考えて。それを相手に伝える。伝えた結果、その人はどう思うのか。どういう視点を持つことができるのか。氣をもって常に行動し続けることを意識したいと、この言葉を選びました」(堂薗キャプテン)
あらゆるエネルギーを吸収し、四方八方に広げること。
『氣』をはく1年がスタートした。
大阪桐蔭 60-7 筑紫
「1回戦は茗溪学園のプレッシャーもあってすごく硬く、表現しにくかったんですけど。今日は良い入りができました」と言葉にしたのは、大阪桐蔭・綾部正史監督だ。
◆
新チームになって2か月半。
新人戦に近畿大会、また年度末の学校行事と、高校生たちは冬の終わりに過密スケジュールを過ごす。
ボールの動かし方や接点の強度を上げることを意識しながら練習を重ねてきたというが、この全国選抜大会は「課題をなくしながら勝ち進む大会にしたい」と話すはCTB手崎颯志キャプテン。
焦ることなく「ゆっくり自分たちのチームを作っていきたい」と落ち着きを見せる。
◆
だが、立場上は昨季の全国選抜大会王者。連覇が期待される立場であることは間違いない。
連覇への意気込みを問われた綾部監督は言った。
「『優勝しよう』と言って、熊谷に来たわけではない。『力をつけようぜ』と言って、こっちに来ました。どう力をつけるか」
力をつける準々決勝の相手は、東福岡に決まった。
大分舞鶴 12-46 御所実業
