5月16日(金)にNZU(ニュージーランド学生代表)と対戦するU20日本代表。勝負の一戦を明日に控え、試合会場の大分スポーツ公園 クラサスサッカー・ラグビー場Aコートでキャプテンズランを行った。
この日は、選手入場から国歌斉唱、ハカに至るまで『キックオフまでの一連』に関する予行演習からスタートした。
選手たちはリラックスした表情で、笑顔のなか明日をイメージする。
その後はユニット練習、ゲームシナリオの確認などおよそ1時間に渡って汗を流したU20日本代表。
試合は16時にキックオフを迎える。
失敗を恐れず、アグレッシブに
例年であれば、夏の時期にワールドラグビーが主催する世界大会へ参加するU20日本代表。だが今年はワールドラグビーU20トロフィー大会が開催されず、戦う場を失った。
与えられたチャンスは、1度きり。このNZU戦に、全てをぶつける。
指揮を執る大久保直弥ヘッドコーチは言う。
「1試合だけになってしまったことは残念ですが、NZUとは昨年も戦い、敵地で2敗しています。そんなチームに対し、我々がチャレンジするのは『練りに練った策』よりも『ダイレクトにハイテンポでボールを動かすこと』です」
今年のチームがNZUに勝てば、昨年のチームを越えられぞ、と選手たちを鼓舞した。
また今年は例年以上に年齢幅の広い選手構成となった。
先発15人中、”飛び級”となる大学1年生はLO加賀谷太惟選手(立命館大学)、SO丹羽雄丸選手(同志社大学)、FB古賀龍人選手(明治大学)の3人。
リザーブには高校3年生の荒木奨陽選手(中部大学春日丘高校)も名を連ねるなど、あわせて4学年で構成されている。
SO丹羽選手
一方で、変わらないものもある。
スローガン『コスモアタック』は昨季から引き継ぎ、テンポの速い、動き考えるラグビーを目指す。
「今年もランをしてキャッチする、という所から始まりました。高校ラグビー界で主流のポッドラグビーから離れた、今までやったことのないラグビーに対して、前向きな気持ちを今年の選手たちからも感じています」
U20 JAPANのロゴ入りジャージーを着ることが許される80分間は、明日の1試合だけ。
「先手必勝でしか勝つシナリオは考えられない。とにかく最初のスクラム、最初のラインアウト。キックオフから全開で走ろうと思います」
若き桜の戦士たちが繰り出すファーストパンチに、刮目せよ。
大久保直弥HC コメント
昨年敗れたNZUに対して勝つ、というゴールを設定しました。最後は守り勝つのではなく、走り勝って攻め勝ちに行って欲しいです。この世代は、ミスをして、失敗をして学べる時期。小さくまとまって欲しくないなと思います。
3月に行われた高校日本代表のイングランド遠征にも帯同し、3試合を一緒に過ごしました。特に最後のU19イングランド代表戦は、相手に主導権を握られスタートしましたが、ジャパンが勝つには先手必勝ということを選手たち自身も痛感したと思います。
彼らに話を聞いていても、あの敗戦をすごく悔しがっています。(明日10番で出場する丹羽)雄丸も、最後に自分のキックが・・・と今でもメソメソしています。でも負けから、失敗から学ぶことがどれだけ偉大なことかというのを、彼のここ数カ月での成長を見ていても感じるので。決して無駄な敗戦ではなかったのではないでしょうか。
我々は4月にリーグワン各チームの胸を借りながら、1日3回のハードな練習をしてきました。明日はその成果を、勇気をもってプレーしたいと思います。