走って、勝つ。東福岡、4度目の頂点へ

長野県上田市菅平高原・アンダーアーマー菅平サニアパークにて行われている、第12回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会。

11大会連続11回目の出場となる東福岡は、第9回大会以来3年ぶりとなるベスト4入りを果たした。

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準々決勝・京都工学院戦。

前半4分にファーストトライを決めたのが、2年生の徳本雄士選手。貴重な先制点を奪い、チームに勢いを与えた。

それだけではない。特筆すべきは、続くリスタートキックオフでのこと。

京都工学院に右サイドでキックカウンターを仕掛けられ、あわやそのままトライを許してしまうかと思われた場面で、全力で追いつきタッチに押し出したのが徳本選手だった。

ボールを奪い返した東福岡は、その球を2トライ目に結びつける。

7-0を7-7にされるのではなく、自らの走りで14-0へ。

大きな差を生み出した。

「自分の強みであるスタミナを生かして、チームのためにランで助けたいと思いました。全力で走りました」

徳本選手は、少し照れくさそうに言った。


長崎県出身だが「グリーンジャージーを着た選手たちがすごく格好良くて」東福岡へと進学した

15人制では公式戦出場経験なく、もちろんこれが全国大会初出場。

メンバー入りを告げられた時は「とても嬉しかった」と言うが、それでもすぐに「切り替えて、前回大会で全国優勝できなかった分今年こそはしっかりと優勝したい」と気持ちを新たにした。

自らの全国デビューを喜ぶのではなく、チームを優勝させることに焦点を置く。

「準決勝の相手は大分東明。体も大きいしランスピードもあるチームですが、しっかりと走り勝ちたいと思います」

力強く宣言した。

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またこれまで全試合に出場し、準々決勝では初トライを決めた岩切虎二朗選手はなんと1年生。

今月13日に行われた「なの花薬局ジャパンセブンズ2025」ではセブンズユースアカデミー生としてエキシビションマッチを戦い、なんとハットトリックを決めた。

口数は少ないが、セブンズユース生としてチームを引っ張る意志を有する。

「今日は外のランで」その気持ちを示した。

「セブンズユースでは、1対1で相手に仕掛ける間合いを学びました。少し遠い間合いで、相手を抜きます」

すでに15人制でも公式戦デビュー済み。先月行われた全九州高等学校ラグビーフットボールにもフルバックとして出場した岩切選手。

「準決勝・大分東明戦は接戦になると思うけど、最後まで走り切りたいです」

目標はハットトリック。ジャパンセブンズの再現を狙う。

東福岡は3年前の第9回大会で、決勝で報徳学園に敗れ準優勝。

2年前は予選プールで茗溪学園にトライ数差で敗れプレートトーナメント(予選2位トーナメント)に。

昨年は予選プール初戦・桐蔭学園戦で逆転負けを喫したところから勢いを失い、ボウルトーナメント(予選3位トーナメント)を戦った。

この3年間、いずれも大会最終日に2勝したことはない。

準決勝の相手は、大分東明。九州勢対決に「負けられないですね」と稗田新セブンズチーム監督は言った。

「まずはリカバリー。そしてどういうメンバーで、何をやりきるか。やることは変わりません」

第4回大会以来4回目の優勝を掴みに、いざ。

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