9月13日に開幕した関東大学ラグビー リーグ戦1部。
10月12日(日)に熊谷スポーツ文化公園ラグビー場Bグラウンドで行われた法政大学と東洋大学の一戦は、21-45で終了し、法政大学が開幕3連敗を喫した。
Pick Up Players
身長191cm。
法政大学ラグビー部で最長身を誇るロック・山内滉太選手(3年生)は、今季これまで春季大会・リーグ戦全てで先発出場を続けている。
埼玉県は昌平高校出身。
高校3年時には花園でも活躍し、法政大学入学後も1年生のうちに公式戦出場を果たした。
高身長ゆえに、低いタックルを受けるとバランスを崩しやすいという弱点を補うため、3年間かけて体重を増やした。
徹底的に取り組んだのは「体を強くする」ということ。
「食事のカロリー計算をしていた時期もありました。なるべく脂質を抑えて、野菜やたんぱく質を意識して摂るようにしました」
努力の積み重ねの結果、体重は108kgに到達。恵まれたサイズをさらに武器へと変えた。
チームが勝つために
現在、法政大学はリーグ戦で3連敗中。
下級生時代から試合に出場してきた4年生のリーダー陣が相次いで負傷し、揃ってピッチに立つことすら難しい状況だ。
春季大会ではBグループのリーグ戦最上位に立ち、勢いを見せていただけに、悔しさが募る。リーグ戦第3戦の登録メンバーも、23人のうち4年生はわずか5人にとどまった。
「勝ちたい。でも、なかなか勝てない。チームが勝つために、自分に何ができるのかを常に考えています」
山内選手は、そう口にした。
左がクラブキャプテンの北川拓来選手。右がゲームキャプテンの田中大誠選手。北川クラブキャプテンは、ウォーターとしてチームを支えた
東洋大学と対戦したこの日、山内選手は自身の焦点をラインアウトディフェンスに絞った。
東洋は安定したラインアウトからチャンスを作り出すゲームメイクが得意。しかも211cmの長身ロックを擁するチームだ。
だから山内選手はラインアウトジャンパーとして果敢に相手のサインを読み、スティールを狙った。
「自分の責任だと思って取り組みました」
結果としてスティールには至らなかったが、その姿勢で闘志を示した。
自分らしさを失わずに
心得るのは、派手なプレーではない。あくまでも「愚直なプレー」。
191cm、108kgのサイズに頼るだけでなく、細かな役割を丁寧に積み重ねること。それこそが強みであり、チームを支える原動力になる。
「細かいプレーに、セカンドマンとして走り続ること。細かい仕事量を徹底的に増やしたいです。また宮下さん(晃毅選手、ナンバーエイト)がいなくてペネトレーターが不足している分、積極的にボールをもらって少しでも前に出たいとも思っています」
この日ナンバーエイトを務めた同学年の弓良堅斗選手については「良いボールキャリアーなので、僕も尊敬しています」と言葉を添えた。
苦境の中で、長身ロックが光らせる愚直な献身性。
それこそが、法政大学を立て直す力へと変わっていくはずだ。