試合展開
試合開始前
キックオフ15分前には、両チームともにアップを終了しロッカールームに引き上げる。
前回、熊谷ラグビー場Bグラウンドで試合が行われたときにはグラウンド隅に設けられたテントがロッカー替わりだったが、今回はAグラウンドのロッカールームを使用。全ての人にとって、初めて経験するコロナ禍のシーズン。回を重ねるごとに、より良い方法をと関係者も試行錯誤している様が伺える。
グラウンドを包んだ静寂は、およそ10分間にも及んだ。
12時56分、まずは立教がロッカーアウト。続いて筑波が姿を現したのは、12時59分を回ってからだった。13時01分、予定通りキックオフの笛が鳴る。
前半
なかなかスクラムがバチっとはまらず、組みなおしが続いた序盤。この日最初のトライは、スクラムが起点だった。
前半7分、相手陣5m付近での筑波ボールスクラム。何度も組みなおしアドバンテージを獲得すれば、9番・鈴村淳史選手は迷わずボールアウト。12番・一口隼人選手にフラットなパスを渡すと、ポール右脇にそのままトライ。この日ゲームキャプテンを務めた10番・山田雅也選手がしっかりとコンバージョンゴールを成功させれば、筑波が一気に会場の空気を支配する。
筑波・岡﨑キャプテンは、ウォーターとしてチームメイトを支えた
前半14分、ユニバーシアードで金メダル獲得経験のある15番・松永貫汰選手が、相手陣22m付近で絶妙なハンドリングスキルをみせると、ボールを受け継いだ3番・山崎昇悟選手がゴール右隅にグラウンディング。プロップのトライに盛り上がる筑波ベンチ、0-12とリードを広げる。
しかしながら、この日一番の盛り上がりは立教陣営から巻き起こった。
前半23分。立教4番・守源選手が相手陣15m中央付近から一気に抜け出し、そのままインゴールに向かって走り抜ける。筑波の快速WTB・仁熊秀斗選手(11番)が追いかけるも、振り切ったのは立教のロックだった。およそ35mを走り切り、ゴール中央へのトライを決めた守選手。思わず選手名鑑で確認すると、50mを6.4秒で走るという。立教新座高校からの生え抜きは、最高の笑顔でトライを奪った。
しかしその後は、再び筑波ペースへ。さらに3トライを重ねた筑波が、7-31とリードし前半を終える。