決勝② 川越東v深谷【第100回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選】

花園行きの切符

深谷に17-14と迫られた時、川越東ベンチから聞こえたのは「江田、まとめろよ」の声。試合後、望月監督に真意を問うと「『勝ち切る道筋を立てなさい』という意味合いだったと思う。なんて言ってる傍からキックオフでポロっとした結果、苦しんでしまったんですが(笑)でも最後はよく止めきってくれました。強豪校と戦う中で、経験値が溜まってきたということだと思います。」と話す。

実は川越東、5年ほど前から昌平とともに「Brave Heart League(通称BHL)」に身を置いていた。本郷や静岡聖光、仙台育英に関東学院六浦・桐生第一などと戦う中で身に着けた『ラグビーの戦い方』を、最大限に発揮した瞬間だった。強豪校と戦うことで、勝ち方を学ぶ。初心者が大半だからこそ、貴重な強化方法だ。

江田キャプテン曰く、川越東は「3年生全員仲良くて、全員が体を張れる良いチーム」だという。3年生は21人いるが、新人戦以降誰も辞めずに21人で花園行きを手にした。私立進学校において、そして何よりほとんどがラグビー初心者のチームにおいて、並大抵の努力ではなかったはずだ。
バイスキャプテンでありもう一人のエース・渡邉選手が戻ってきたことで、「ディフェンスもオフェンスも一番に体を張ってくれるので心強かった」という。

次は、未知なる地・花園。昨年末は一観客として、悔しさを胸にリベンジを誓ってきた場所。今年は選手として、花園の地に降り立つ。

川越東 望月監督
「苦しかったですね。バックスがもう少し機能するかと思ったが、ラストワンプレーを繋がせてもらえず、苦しい展開になった。(前半7-7に追いつかれて折り返したハーフタイムには)昨年は逆に、7-7に追いついてから再び離された。その感覚を忘れないように、去年とは逆の立場になって戦いなさい、ということを話した。

(最後のモールについて)選手たちの強い気持ちが乗り移ったかと思う。」

川越東 江田優太キャプテン 
「深谷のマークを受け、プレッシャーがものすごかった。でもラグビーは1人でするものじゃない、と。他のプレイヤーが頑張ってくれていたので、自分もそのプレッシャーを少しでも乗り越えよう、と切り替えてプレーした。去年は何もできず悔しい思いをしたので、無事に花園出場を手に入れられて嬉しい。」

(花園では)川越東、そして川越東の江田優太、を覚えてもらえるようなプレーをしたいです。」

川越東 渡邉匠選手(8番)
「怪我続きだったが、トレーナーさんのケアのお陰で決勝を乗り越えることができた。今日は『行くところは全部自分で取ってやろう』という気持ちでプレーした。川越東で本当はサッカーをやる予定だったが、望月先生に誘われてラグビー部に入った。望月先生にラグビーの楽しさを教えてもらった、ラグビーを選んで正解でした。

(花園は)1年生の頃から憧れていた場所なので、自分のすべてを出し切りたい。」

川越東 柴田恵汰選手(12番)
「(花園に向けて)基礎的な所、ウエイトや食事トレーニングにももう一度力を入れて、できる限りの準備をしたい。ここまで支えてくれた両親には感謝しかない。お弁当も毎日作ってくれて、洗濯も身の回りのことも全部サポートしてくれている。」

深谷 須藤キャプテンからのエール
「自分たちは、花園で年を越すことを目標にやってきた。川越東には絶対にベスト16、ベスト8は達成してほしい。」

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