「やっぱり坂井はセブンズをわかってるな」というプレーを【選手インタビュー・坂井克行選手】

オリンピックでメダルを獲るという強い意志

ーーリオオリンピック前と比べて、チーム状態はいかがでしょうか

いろんな大会があると「この辺でこのぐらいのメンバーに入っていないとまずいな」ということが分かってくるので、そうするとチーム内でも少しピリピリしてくるんですけど。今は大会もないので、そこまでの緊張感はまだないですね。いい意味でリラックスした状態で練習に臨めています。

今日は、いつもの紅白戦よりははるかに緊張感はありましたけど、それよりも試合が出来る嬉しさを感じてみんなプレーしていました。去年の今頃は、みんなかなりピリピリしていましたよ(笑)

 

ーーワールドシリーズが開催されないことへの不安はあるのか

ワールドシリーズは別格です。違う国に行って、時差や季節の反転もある中で試合をする。2週間で2大会ですからね。セブンズならではの過酷さだと思います。ワールドシリーズでいかに結果を出すのか、というのがオリンピックだけではなくて今後のセブンズの成長の面では大きいと感じます。

もちろんオリンピックのことを考えれば、ワールドシリーズで揉まれるというのが一番ベストですけど。それが難しいというのであれば、プランBを考えなければならない。今、選手にできる一番大事なことは「オリンピックでメダルを獲る」という強い意志を持つこと。現時点で世界ランキング15、16位のチームが、世界でトップ3に入るというのは相当厳しい。昨年のワールドカップよりもハードルが高いと思うので、メダル目標に掲げたのであれば、強い意志を持つことが必要だと思います。

 

ーーインナーマッチで実践の機会を増やしていきたいと岩渕HCはおっしゃっていました

セブンズは試合やってなんぼ、ですよね。1日3試合でどれだけパフォーマンスできるか、の勝負。しかも勝ち進めば勝ち進む程、相手はどんどん強くなっていくので。そうすると、試合で安定したパフォーマンスを出せる選手と、飛び道具的な選手とが必要になってくる。試合をする中で、自分のキャラクターを見つけることが大事なように思います。

 

ーーやっぱり実践が大事?

セブンズというのは12人で戦う競技なので。阿吽の呼吸的なコンビネーションのあるチームが強い、と僕は思っています。

リオ直前のジャパンも、香港の昇格大会で優勝した後くらいからだったでしょうか。合宿メンバーであれば誰が試合に出ても「この人ならここでオフロード放ってくる、この選手ならこのくらいまでディフェンスをしめてくれる」というのが誰しも分かるようになっていたんです。そういう感覚の部分は、練習じゃなくて実践で培われるので。やっぱり試合が一番大事ですね。

ワールドシリーズを回れれば言うことなしですが、それができないので岩渕さんはプランBを考えているのではないかな、と思います。リオの前は、トップリーグや大学の外国人選手の力を借りて練習試合をしていましたよ。

もう一度リオ前の感覚になれるように、残り8か月間いろんな選手と競争しながら、つめていきたいと思います。

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33歳で迎える東京オリンピック。この年ならではの安定したプレーを、「やっぱり坂井はセブンズをわかってるな」と言われるようなプレーを、したいという。

そういえば。1試合目だったか、坂井選手がゴール前でボールを持った時の絶妙な『ため』に感動したことを覚えている。(取材ノートにも、「Mr.セブンズのプレー」と興奮しながら書いていたほどに)

と同時に、セブンズは阿吽の呼吸が大事になるという坂井選手。昨年のワールドカップでは日本代表が「One Team」を合言葉に大躍進を果たしたが、セブンズは「セブンズファミリー」でオリンピックのメダルを狙う。

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