川越東v明和県央(1回戦)【第100回全国高等学校ラグビーフットボール大会】

2nd 25mins

1回戦は、通常より5分短い25分ハーフ。だからこそ、タイムコントロールとエリアマネジメントの重要性が更に増すのが、今大会の特徴だ。

7点ビハインドで迎えた川越東は、なんとかして先にスコアを奪いたい。だが、埼玉屈指の展開力を誇るバックス陣が13番→15番→14番とボールを繋いで敵陣に攻め込もうともタッチに押し出されてしまう。マイボールスクラムだって、悔しいかなボールを奪われた。

そんな中、選手たちは自分たちでリズムを作りだそうと必死だった。

12番・柴田恵汰選手がスクラムでのバックスラインの立ち位置を「もう一歩前に行けるよ」とポジティブな面を確認すれば、5番の白石不比等選手はラックから”えずきながら”出てきた。1番・加藤幸樹選手も、2連続で強烈なタックルを見舞った。全員が、全身全霊で体を張る。

ラストクオーター、川越東は勝負に出た。それまで大活躍をしていた1・7番に変えて、16番・山田篤選手とバイスキャプテンの柴拓夢選手(20番)を投入する。

しかし直後の相手ボールラインアウト。前半のデジャブのように、ラインアウトモールを組まれ、そのまま押し切られてしまう。明和県央のフッカー・佐藤選手がこの日2度目のグラウンディング。後半19分、7-19と明和県央がリードを広げる。

 

残り5分で、12点差。なんとか早く、1トライを奪いたい。その焦りが、川越東のプレーにも表れスクラムが回ってしまう。何度もスクラムが組み直しになる。ベンチからは「まだ時間あるよ!」とピッチで戦う選手たちを落ち着かせながら、「テンポだって!」と鼓舞する声が響いていた。

しかし、ダメ押しのトライを奪ったのは明和県央。この試合奪った4トライは、全てフロントローによるもの。明和県央の重量級フォワードの活躍が光る結果となった。

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創部35年で新しい1ページを描いた川越東。全国で戦う難しさを、実感したはずだ。だからこそ、これからどういう深化を遂げていくのだろう。紡ぐ次のストーリーを楽しみにしたい。

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