1回戦 中部大学春日丘高等学校v埼玉県立熊谷工業高等学校
宮地真監督は言った。
「今日がやっとスタートです。」
100回大会の花園で初のベスト8を達成した春日丘高校。
新チームになってまだ3ヵ月弱だが、この間新型コロナの影響で試合は全くできなかった。
初めての試合が公式戦、しかも全国の舞台。プラン通りにゲームが進むはずが、ない。
「うちのチームは、FWに仕事をさせないことが重要なんです。能力があるバックス陣なので、いかにFWにハードワークをさせずバックスにボールを供給できるかが鍵。今日は15番のキャプテン・小池陽翔が、余裕がなくなって自ら中にボールをもらいに行ってしまいましたね。」
宮地監督が発する言葉を横で聞いていた小池キャプテン。「もっとスマートにプレーすべきでしたね」
良かったこともある。この試合、一本もラインブレイクを許さなかった。ディフェンスの堅さ・正確性が健在だということは分かった。
ただし逆を言えば、全てペナルティからエリアを広げられてしまったことになる。
「イカンでしょ。一番ダメ。」
だからこの試合の評点は「マイナス260点くらいじゃないですか」と笑った。
選手のポジション配置も「とりあえず今のベスト」と、この試合をベースに試行錯誤を重ねるという。
熱く、そして温かみのある言葉を述べる宮地監督。目指す頂きが高いからこそ、選手への要望も必然的に多くなる
最後、インタビューゾーンを去る時に思わず漏らした言葉は「感想というより、ボヤキだな。」
それでも、この場があることに感謝の言葉を述べることを忘れない。
「花園といい、選抜といい。運営の皆様のご努力で開催出来ていますからね。感謝です。」
選抜で出た課題を克服して、4月末から始まるサニックスワールドラグビーユース交流大会2021に挑み、冬の花園へ向けチームを作り上げる。
1年掛かりの大仕事が、待っている。
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