準決勝 東海大学付属大阪仰星高等学校v東福岡高等学校
戦前の接戦予想に反して、ライバル校同士の対決は6トライ差がつく結果となった。
左に右に、キックパスを使い分けながら攻撃を組み立てたのは九州の雄・東福岡。
「上手く修正できた良い試合だった。ハーフタイムに空いているスペースをみんなで話し合って、そこを後半攻めることが出来た。」
フィジカルで上回った東福岡は、ブレイクダウンから生み出したディフェンスライン裏のスペースを突く。シンプル且つ効率的に、得点を重ねた。
後半だけで6トライ。東海大仰星には、後半1トライも許さなかった。
キックチャージからトライに繋げた場面についても「アンストラクチャーでトライが取れる時は強い。勝てる時は、そういう場面でスコアできる」と藤田監督は話す。
東福岡の独壇場となった後半。強さの要因は、連戦を耐え抜くその体づくりにあった。
アスリートフードマイスターによる栄養指導を受け、食事と休養、そしてトレーニングのバランスに気を付けているという。
「いつ何をどう食べるのか。計算しながら食事をとっています。」
今季の目標は、選抜・アシックスカップ・サニックスワールドラグビーユース交流大会、そして花園の4冠だ。
まず一つ目の関門まで、あと一勝。
選抜優勝の座を掛けて戦うは、大会3連覇中の桐蔭学園。31日11時から、熊谷ラグビー場で相まみえる。
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東海大大阪仰星高校ラグビー部は、すれ違う人に必ず挨拶をする。
選手も、マネージャーも、監督も。相手が誰であっても、だ。
グラウンド脇に置かれた荷物も、しっかりと整頓し並べられる
日常的に行っているごみ拾いは、熊谷に来てからも変わらない。試合会場や練習会場、宿泊施設の周辺でも気が付いたタイミングでごみを拾った。
「僕たちは違う地域で試合をさせてもらっている。僕たちがごみを拾うことで地域の方々が気持ちよく過ごせるのであれば、来させて頂いている立場として嬉しい。ごみを探す目配りは、試合中にスペースを探す目配りに繋がると考えています。」
自分たちで考えることを大事にするチームカラー。試合中も、湯浅監督から「どんなチョイスある?」と選手たちに考えさせる言葉が飛んだ。
「試合をするのは僕たち。監督のためにラグビーをするわけではない。まずは自分たちで考えて、それよりも良いアイディアがあったら監督からアドバイスを頂き、そこからまた自分たちで考えます。(薄田キャプテン)」
試合前、一人ひとり「お願いします」と発し、グラウンドに一礼してからグラウンドに入る仰星の25名。
冬、再び笑うために。明日からも、自分たちでラグビーを考える。