試合開始20分前にはアップが完了し、ロッカールームに引き上げた筑波。
対する帝京は、15分前からスクラムの最終確認を始めた。
筑波に遅れること10分、帝京もジャージチェンジに戻る。
観客のいない、静かな熊谷ラグビー場で。
2021年の対抗戦が、始まった。
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The Side of Teikyo
帝京の強みは、グラウンド内外にチームの核となる選手がたくさんいること。
その中の1人が、奥井章仁選手。まだ、2年生である。
今月17日に誕生日を迎えるため、この日が10代ラストゲームとなった奥井選手
スクラムが組み直しになる度に最前列まで行き、フロントローの顔を見てから再びスクラム最後尾につくのが毎度のルーティン。
レフリーとのコミュニケーション量も、他の誰よりも圧倒的に多い。
稀代のキャプテンシーを発揮する2年生のNo.8は、前半35分、ラインアウトからモールを形成すると最前列で核となりモールをコントロール。逆転トライの立役者となった。
幾度となく小さな円陣を作った帝京陣
この日、敵陣深くで何度かラインアウトモールにチャレンジをした帝京。
しかし、トライに結び付いたのは前半の1本だけだった。
細木キャプテンは言う。「すぐにトライをして楽になろうと急ぎ過ぎてしまった。トライ出来たモールでは、モール全体として前に進めていたし、誰一人FWの選手が焦らずプレーできていた。」
初戦ということもあり、メンタル面で帝京のラグビーを全面に出し切れなかった、とも付け加えた。
「たくさん反省点はあるが、勝って反省出来ることはポジティブ。勝利が油断に繋がってしてしまうことが怖いので、リーダー陣から気を引き締めていきたい。」
4年ぶりの大学選手権優勝を目指すチームに、隙はない。
細木キャプテンはプレイヤーオブザマッチを獲得
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