The Side of Rikkyo
「ヘッズアップ!」
「下向くな、いまディフェンス続いてきついだけだから!」
自陣インゴールで組まれた円陣は、80分間で計12回。
12個のトライを許してもなお、立教フィフティーンの士気が下がることはなかった。
「耐えろ耐えろ!ノーペナ!バックス前へ、前へ出よう!」
「落ちるな、一本とって帰るよ!」
背番号を背負った選手たち以上に、ウォーターとしてグラウンドに立った彼が、80分間仲間を励まし続けた。
すんでの所で阻止したトライもある。
早稲田のフルバックが抜けると、内でサポートに入っていたスクラムハーフへとボールを繋がれた。
そこに飛び込んだのは、最後まで諦めずに追いかけ続けた立教の9番・北川時来選手。
ゴールライン直前で足に手を掛けると、インゴールノックオンを誘った。
「一人ひとりのDFがしっかり粘る。トライ寸前でのミスもあったし、気持ちがあった。最後の粘りを感じた。」
試合後、早稲田の長田主将は立教の戦いぶりをこう評した。
昨年程ではないが、例年に比べると圧倒的に少ない練習量。
福田監督は言う。
「コロナの感染もあり、夏合宿は中止。フィットネスで負け、硬くなってしまった。」
前半奪われたのは7トライ。後半は38分まで2トライに抑えていたものの、最終盤に崩れてしまった。
今年のスローガンは『EXCEED』。これまでの立教を乗り越える、という意味でつけられた。
「試合中に修正できたことは自信にしたい。必ず大学選手権に出場したいと思います。」
躊躇わずに真っすぐ発した麻生典宏キャプテンの言葉をエネルギーに、まずは対抗戦3勝を目指す。
1年前は川越東高校主将として熊谷ラグビー場に立っていた江田優太選手(15番)。一回りも二回りも大きくなった
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