60分の物語
試合展開
風吹き荒れる準決勝、前半風上に立つは川越東。
キックオフから攻め立てると、試合開始早々に敵陣22m付近で立て続けに4度、マイボールラインアウトを投げ入れる。
しかしいずれもボールを出したのは昌平。
チャンスをものにすることが出来ない。
激しいブレイクダウンに、ボールは行ったり来たり。
グラウンド中央でのプレーが続き、なんと前半25分までスコアレス。
均衡を破ったのは、川越東。
何度目の正直か、敵陣22m内でのマイボールラインアウトをしっかりキャッチすると、モールを形成。
そのまま押し切り、最後は9番・北野颯大選手がボールを押さえた。
負けじと昌平陣も攻撃を繰り返すが、川越東も守り切る。
ディフェンスから勢いを掴み出した川越東、前半終了間際には11番・桑島蓮之介選手が抜け出し、2本目のトライを奪った。
コンバージョンゴールも成功し、川越東の14点リードで前半を折り返す。
一転、後半は風上に立った昌平がタッチキックを上手く使いながらエリアを獲得する。
ペナルティを得れば落ち着いて敵陣深くまで蹴り込み、ラインアウトから開いた先で12番・平岡勝凱選手がトライ。まずは7点を返した。
息をもつかぬ間に昌平が再びインゴールまで迫るも、焦り過ぎたかパイルアップ。
千載一遇のチャンスをものにできない。
ディフェンスの昌平を相手に、川越東もディフェンスで勝負する。
ゴールラインドロップアウトから一度は陣地を返されたが、再び攻め立てた昌平。
バックスでゲインを奪えば、最後は15番・廣内颯選手がボールを地面に押さえた。
タッチライン間際、難しい位置からのコンバージョンゴールを成功させたのは13番・濱田匠バイスキャプテン。
14-14、後半20分過ぎに試合を振り出しに戻した。
時間との戦いが始まった試合終了間際。
川越東がペナルティから敵陣5mでのマイボールラインアウトを獲得し、勝負を決めたかと思えばノットストレート。
万事休すか、昌平ボールでのスクラムを組んだ。
しかしそれまでセットピースを優位に進めていた昌平は、最後の最後、雌雄を決すスクラムでフッキングが上手くいかず、ボールは川越東陣に出た。
落ち着いて拾い上げた川越東8番・髙橋新大選手がショートサイドをつき、飛び込む。
よもや引き分け抽選を覚悟した、後半30分。
川越東が、自らの手で決勝進出を決めた。
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