決勝 川越東×深谷|令和3年度 埼玉県高等学校ラグビーフットボール新人大会

60分の物語

川越東:紺ジャージ、深谷:青ジャージ

試合展開

川越東ボールで試合が始まると、風上を活かした深谷がキックを活かし敵陣深くまで攻め入る。

ペナルティを得れば、深谷はペナルティゴールを選択。

しかし惜しくもポールに当たり跳ね返ると、川越東がキャッチした所で深谷はすぐにターンオーバー。

スペースを逃さなかった12番・飯塚祐真選手(1年生)は中央から右サイドへのキックパスを蹴り上げた。

反応したのは、14番・新井颯太選手(2年生)。落ち着いて、先制トライを奪う。

コンバージョンゴールも成功し、0-7。試合開始早々、深谷が自分たちの形で取り切った。

その後も深谷の時間帯が続く。

川越東がインゴールまで攻め入るも、グラウンディングさせずパイルアップ。

雄叫びを上げた深谷フィフティーン。

試合序盤、勢いは深谷にあった。

セットプレーでオブストラクションを取られても「押し返してるよ!いいよいいよ!」と声を上げたのは、フルバックの藤巻蒼翔選手(2年生)。

ロングキックがダイレクトタッチになってしまった飯塚選手に対して「ゆうま!俺らがカバーするから!」と心強い言葉を掛けた、3番・坂上翔太選手(2年生)。

バックスがフォワードを、フォワードはバックスをフォローする深谷らしいチームが、既に出来上がっていた。

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しかし前半15分を過ぎると、徐々に川越東がストロングポイントを活かしたラグビーを見せ始める。

それまでのフォワード戦で近場を突くプレーから、大きくバックスにボールを回すラグビーにシフト。

10番・西ヶ谷昂バイスキャプテン(2年生)は小さく蹴り上げディフェンスを交わすと、そのまま自分でボールをキャッチして大きくゲイン。オフロードを放れば、サポートに入った13番・稲葉逸生選手(1年生)に繋ぎ陣地を大きく取り返す。

右ウイングの石本瑛選手(1年生)も力強いランで、インゴールまであと一歩と迫った。

 

押され始めた深谷。「もっと盛り上げよう!勝ってるんだよ!」

少しずつ、川越東の勢いに押されていく。

試合が動いたのは、前半20分過ぎ。

深谷のノックオンから敵陣22m付近でマイボールスクラムを組んだ川越東。

すぐにバックスにボールを展開すれば、11番・桑島蓮之介選手(2年生)が飛び込んだ。

川越東、まずは5点を返す。

ひとつ取れば、取り方さえ理解すれば、強い川越東。

FB土居泰介キャプテン(2年生)の力強いボールキャリーで、更に勢いを増す。

チームメイトから「ナイスアタック!」の声が飛ぶと、満面の笑みでハイタッチを交わした。

前半終了間際。

川越東は敵陣ゴール目の前のペナルティから、スクラムを選択した。

しっかりと組み、右サイドにボールを出せば、外に控えし15番・土居キャプテンがボールを押さえた。

コンバージョンゴールも決まり、12-7。

川越東が逆転し、前半を折り返す。

輪の中心にいる、土居キャプテン。

笛が鳴ると、最後尾から最前列に走り、仲間に声を掛ける。

セットプレー前には、9番・10番・12番らと何度も話し合った。

「チームの雰囲気は凄く良い。」

川越東でラグビーをするために、東京から進学を決めた土居選手。試合中、楽しそうな表情を幾度も浮かべた。

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