後半は、まさしくタフゲーム。
風下ながら深谷がキックを蹴り込み、川越東のラインを下げる。
川越東10番・西ヶ谷選手が戻って落ち着いてボール処理をすれば、グラウンドを縦に大きく使った攻防が何度も続いた。
選手たちの表情が、苦しさを物語る。
「笑顔!上げよう、ヒガシ!」
川越東から声が上がれば、深谷も負けじと応戦。
「自滅してる!自分たちのミスから!」
苦しい時間帯に、両陣から声が響く。
すると、またしてもマイボールスクラムから展開したのは川越東。最後は右の大外にいたNo.8髙橋新大選手が走り込み、後半最初のトライを決めた。
17-7、川越東が引き離す。
試合を決める時間帯に入った、後半20分過ぎ。
ペナルティを獲得したのは、リードする川越東。
場所は、敵陣深くのゴール目の前。
風上であり、まずは2トライ1ゴール差に広げるPGを選択するかと思いきや、スクラムからトライを狙った。
「スクラムに自信があった。絶対に取れる、という気持ちでスクラムを選択した。(土居キャプテン)」
しかし、勝ち気の選択は外れる。
インゴールに届くことなく陣地を戻されると、深谷の逆襲が始まった。
おそらくこの試合1番ゲインメーターを獲得したであろう13番・野口彰太選手が、何度目かのビックゲイン。
ペナルティからクイックタップでスタートすれば、14番・新井颯太選手に繋がり2トライ目を決めた。
17対12、深谷が5点差に迫る。
まずは1トライ1ゴールで逆転出来る点差に縮めた深谷。
しかし、この試合ペナルティに苦しんだ。
残り1分、自陣深くでペナルティを取られ、相手にPGのチャンスを与えてしまう。
好機を逃さなかった、川越東。
今度はペナルティショットを選択し、12番・五十嵐舜悟選手(1年生)が落ち着いて決めれば勝負あり。
川越東が埼玉県の新人戦を制した。