前半
「昨日の練習通りやぞ!」
長崎北陽台の声で始まった、準々決勝 第3試合・長崎北陽台×京都成章。
練習試合も含め、両校初めての対戦となった。
ファーストトライは京都成章。
キックオフ直後から幾度か14番・山村駿人選手までボールを回し切って、右の大外でチャレンジするアクションを起こしていた京都成章陣。
実ったのは前半10分。
自陣深くまで攻め込まれるがジャッカルで守り切った後、ラインアウトからセンター陣の2人、3番・森山飛翔キャプテン、25番・坂田賢之介選手とボール繋げば、最後は右のウイング山村選手の手に渡ってトライ。
0-7、まずは京都成章が先制する。
続くトライも、京都成章から。
相手のパスが乱れた所、すかさずルーズボールへ駆け込んだのは12番・前川大輔選手。10番・川上凌空選手を経由し再び14番・山村選手の手に渡れば、ステップを切ってディフェンスを交わし、そのままトライ。
0-12、リードを広げる。
長崎北陽台も、じりじりと陣地を広げる。
強い選手たちが何度もリロードを繰り返しながら、次のブレイクダウン、そのまた次のブレイクダウンへと人数を掛ける。
「上手い人、強い人がたくさんボールを持てばいい。(長崎北陽台・品川英貴監督)」
役割分担をしながら、縦100m、横70mのラグビーグラウンドをそれぞれに駆け回る。
試合最終盤、敵陣22m陣でマイボールラインアウトを獲得した北陽台。
スコアを動かして前半を終えるチャンスだったが、上回ったのは京都成章フィフティーンの気迫。
京都成章12番・前川選手が「オッケー成章、ここや!守んで!」と仲間に声を掛けると、言葉通りペナルティを獲得した。
0-12で前半を折り返す。
ハイボールキャッチもボールを持っての当たり役も、ことごとく8番・白丸智乃祐キャプテン。「強い人がボールを持てばいい」No.8主将らしい役目を果たした