三重ホンダヒート
「今シーズンをもって、ラグビーのジャージを脱ぎ、引退させてもらいます。
約12年間という長い間、ヒートの第一線で頑張らせてもらって。
入替戦だったり、自動昇格に自動降格だったりと本当に様々な経験をしました。
負けてる数の方が圧倒的に多いです。
その中でも、ファンの皆様、会社の皆様にサポートして頂いたおかげで、ここまでヒートは成長することが出来ています。
これからもまだまだ成長してくれると私自身信じています。
安心して見ていてください。」
グラウンドの一番端から誰よりも大きな声を出し続けたWTB生方信孝選手(34歳)は、笑顔でラグビー人生最後の試合に挑んだ。
「チームのリーダーとして、勢いを与えるプレーをしよう」と臨んだ運命の入替戦第2戦。
言葉通りの80分だった。
タックルを受けてもすぐには倒れず、サポートが寄る時間を作った。ディフェンスでも、ボールを持った瞬間のこれ以上ないジャストタイミングでタックルに入り、ノックオンを誘った。
これが引退試合とは思えない、誰よりもチームを勢いづかせるプレーを見せ続けたラストダンス。
「やっぱりウブだよね」
これまで客席から何度も聞こえてきた言葉は、最終戦でも健在だった。
試合後、笑顔でプレイヤー・オブ・ザ・マッチの表彰を受け、方々に時間を掛けて挨拶をした。
「ラグビー人生、やりきりました。積み上げに積み上げました。自分のことを誉めてあげたいです。」
最後は肩車で、チームメイトが作る花道を笑顔で進んだ。
悔いなく最後の戦いを終えた生方選手の傍らには、悔しさを滲ませる若手選手たちがいた。
尾又寛汰選手は、公私ともに慕うGR東葛のゲームキャプテン・レメキ選手の胸に頬を寄せた。
根塚聖冴選手はしばらく膝に手をついたまま、時が過ぎるのを待った。
中川真生哉選手も、唇を噛みしめ天を仰いだ。
今日の悔しさは、来季への糧に。
来季はディビジョン2で圧倒し、再来年こそディビジョン1で戦う権利を掴み取る。
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上田泰平ヘッドコーチ
リーグワン初年度。
主管がチームに移されたことによって、各地域協会さんがグラウンドの笛など含め全力を尽くし、僕たちが輝ける場所を作ってくださったことに感謝しています。
入替戦はリーグ主管となり、良い環境の中で戦うことが出来ました。本当に感謝しています。
修正や課題は色々と言われていますが、それは当たり前の事。
次のシーズン、僕たちはチームとして強くなるし、リーグは更に良いリーグを目指して、お互いに頑張っていけたらと思っています。
最後になりますが、改めて今年1年、僕たちがしっかりと輝ける場所を提供して頂けたことに感謝しています。
古田凌キャプテン
前半は三重ホンダヒートらしく、アタックもディフェンスも勢いよく試合が出来たと思います。
後半は規律の部分で苦しんでしまいましたが、しかし最後は勝利できたので次に繋がる試合になったと思います。
来シーズンはもっと強くなって帰ってきます。