大阪府(選抜)×長崎県(選抜)
速くて巧くて強い大阪府。
長崎県を無失点に抑えれば、11トライを奪っての快勝。
大阪らしいチームワークを発揮した60分間だった。
ファーストスクラム前には、大阪府ベンチから「むっちゃん行くぞ!」の声が掛かる。
むっちゃん、とはチームのムードメーカー1番・浦出睦己選手。
身長166㎝と小柄なプロップながら力強いスクラムを見せれば、攻撃は繋がり14番・ファイアラガ 義信ダビデ選手がトライ。
前半2分、7点を先制した。
とにかく外に回して取り切る大阪府。
この日14番のファイアラガ選手が決めたトライ数は5。6つのコンバージョンゴールと1つのPGも沈め、なんと1人で40得点をたたき出した。
ハイパントからのブレイクダウンでファイトすれば、素早い寄りでターンオーバーを繰り返す大阪府。
規律の高さも光り、被ペナルティ数は僅かに3つだった。
ディフェンスが出来る選手たちを中心に集めた、という長崎県を圧倒し、72-0と11トライ無失点でベスト4入りを決めた。
前日の東京都戦から大きくチーム力を上げた大阪府。
「大阪は昔から、色んな高校さんから選手を出してもらって完全なコンバインドチームを組んでいます。だから日に日に熟成していく。何か新しいことをしたわけではありません」と話すは、梶村真也監督。
キャプテンを務める松岡風翔選手も「チームのテーマは、楽しんでラグビーをすること。だんだんみんなも『楽しんでやろかー』という雰囲気が出てきた。大阪の良さはそこかな、と思います」と気負わない。
コーチ陣含めた明るさが、大阪府の一番の魅力だ。
準決勝は10月5日14時30分キックオフ。
高校生らしく明るい姿と、個の技術を集めたチーム力を武器に、神奈川県戦に挑む。
大阪府・梶村真也監督(関西大学北陽高校)
昨日長崎さんの試合をみんなで見たが、本当に強くて良いラグビーをされるチームだった。
今日はもっとロースコアでどちらが勝つか分からないゲームになると話をしていたが、試合の導入部で勢いに乗れたことが大きかった。
大阪府・松岡風翔キャプテン(大阪桐蔭高校)
昨日苦しいゲームをしたからこそ、先生たちから言われる前に選手たち自らミーティングをし、改善点を出し合った。それを今日のゲームで表現できたことが快勝のポイント。
大阪の良さは、うるさくて楽しい雰囲気。そういう所にこだわってやっていこうと思う。副キャプテンの松沼(寛治選手)や田中(景翔選手)が技術面やプレー面のサポートをしてくれているので、僕は雰囲気の部分で盛り上げていきたい。