全て出し切った。|西武台×立教新座|第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選 2回戦

60mins ~立教新座~

トライを決めた直後のこと。

「お前らぬるいんだよ!」

声を張り上げたのは、13番・丹羽悠介選手。

トライを取られたチームではなく、取った立教新座が吠えた。

如何なる状況でも、自分たちが目指すスタンダードを追求する心意気。

だから、今年の立教新座は強い。

セットプレーを起点にトライを重ね、守っては西武台が用意してきたサインプレーを防ぎ切り零封。

危なげなく3回戦へと駒を進めた。

「次は、3年間1度も勝ったことのない慶應志木さんが相手。先輩たちの分まで、絶対に勝ちたい。(西井悠眞キャプテン)」

目指すは、慶應志木に勝利しての熊谷ラグビー場Aグラウンドだ。

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最後のノーサイド ~西武台~

マイボールスクラムから繰り出したエイタン。

得意とする必殺技を、立教新座に何度も止められた。

「もう、全て出し切りました。」

そう口にするのは、スクラムハーフの菊池晃成キャプテン。攻撃の術を生み出せず「苦しかったです」と紡いだ。

コロナの影響で、3年間一度も菅平には上がれなかった。

合宿すらもできなかった。

「だけど朝ご飯の時からみんなとテレビ電話を繋いで、オンライン合宿をしました。楽しかったです。」

3年間ラグビーを続けられたのは、仲間のおかげ。そう言葉を繋げた。

西武台高校ラグビー部は、体作りのために数年前から炭酸ジュース断ちを始めている。

今年の3年生も、3年間炭酸飲料を飲んでこなかった。

試合後、涙に暮れ、肩を落とす選手たちの先には、袋いっぱいのコーラを手に持ったOBたちが待っていた。

「コーラが待ってるぞ!」

花園予選で敗れた直後、コーラを飲むのがお馴染みの光景となって2年目。

そうやって1年1年が積み重なり、西武台高校ラグビー部の歴史はこれからも創り上げられていく。

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↓試合後のインタビュー動画はこちらから↓

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