60mins ~立教新座~
トライを決めた直後のこと。
「お前らぬるいんだよ!」
声を張り上げたのは、13番・丹羽悠介選手。
トライを取られたチームではなく、取った立教新座が吠えた。
如何なる状況でも、自分たちが目指すスタンダードを追求する心意気。
だから、今年の立教新座は強い。
セットプレーを起点にトライを重ね、守っては西武台が用意してきたサインプレーを防ぎ切り零封。
危なげなく3回戦へと駒を進めた。
「次は、3年間1度も勝ったことのない慶應志木さんが相手。先輩たちの分まで、絶対に勝ちたい。(西井悠眞キャプテン)」
目指すは、慶應志木に勝利しての熊谷ラグビー場Aグラウンドだ。
最後のノーサイド ~西武台~
マイボールスクラムから繰り出したエイタン。
得意とする必殺技を、立教新座に何度も止められた。
「もう、全て出し切りました。」
そう口にするのは、スクラムハーフの菊池晃成キャプテン。攻撃の術を生み出せず「苦しかったです」と紡いだ。
コロナの影響で、3年間一度も菅平には上がれなかった。
合宿すらもできなかった。
「だけど朝ご飯の時からみんなとテレビ電話を繋いで、オンライン合宿をしました。楽しかったです。」
3年間ラグビーを続けられたのは、仲間のおかげ。そう言葉を繋げた。
西武台高校ラグビー部は、体作りのために数年前から炭酸ジュース断ちを始めている。
今年の3年生も、3年間炭酸飲料を飲んでこなかった。
試合後、涙に暮れ、肩を落とす選手たちの先には、袋いっぱいのコーラを手に持ったOBたちが待っていた。
「コーラが待ってるぞ!」
花園予選で敗れた直後、コーラを飲むのがお馴染みの光景となって2年目。
そうやって1年1年が積み重なり、西武台高校ラグビー部の歴史はこれからも創り上げられていく。
↓試合後のインタビュー動画はこちらから↓
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