60mins ~所沢北~
試合開始10分で奪った3連続トライで、流れを掴んだ。
1本目は、セットプレーから開いてNo.8が縦に抜け走り切ってのトライ。
2本目は、スタンドオフが30mの独走トライ。
3本目はその直後、ショートパスを受け取った13番が60m超のノーホイッスル独走トライで主導権を握った。
雨でぬかるんだクレーグラウンド。
高くボールを蹴り上げ、ボールを捕って、当たってポイントを作って、攻撃を重ねる。
シンプルだが、徹底された強さを見せた所沢北。
ベスト16入りを果たした。
最後のノーサイド ~草加高校~
頭にタオルを巻き、監督の隣で誰よりも大きな声を出したのは2年生。
自身は怪我で出場叶わず。それでもチームのために、出来ることは全てやった。
「下向くな!次のこと考えろ!」
「頑張れ!シンプルでいいよ!」
チームを率いる小島蒼梧キャプテンも、聞こえてくるその声に毎回鼓舞されていたという。
ノースコアで迎えたハーフタイム。
小島キャプテンもまた、仲間に気持ちを伝える。
「まだ時間あるから」
「顔上げろ、まだ取り返せる」
そうやって前を向き、少しずつボールが繋がるようになると、念願の1トライ目は後半も深い時間帯に訪れた。
マイボールスクラムから大外まで振り切りトライを決めると、全員で喜ぶ。
「絶対に、意地でも1トライ取るぞ、という気持ちだった。(小島キャプテン)」
気持ちは結果として表れた。
しかし、反撃叶わずノーサイド。
高校最後の笛が鳴ると、グランドから立ち上がれなくなる選手もいた。それこそが、本気で3年間を戦った証。
試合後、小島キャプテンははにかみながら3年間支えてくれた両親への感謝の気持ちを口にした。
「本当に毎日、感謝しかないんです。ぼくは朝起きるのが苦手で(笑)ご飯もたくさん食べさせてくれました。普段は恥ずかしくて言えないのですが、ありがとう、と伝えたいです。」
ラグビーに費やした高校3年間。
大切な、感謝の気持ちを学んだ。
↓試合後のインタビュー動画はこちらから↓
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