日本大学
前節での衝撃的な敗戦から2週間。
チームはミーティングを重ねた。
もう一度、何をしていくのか。
モチベーションが下がってしまうこともあった、と正直に話した平坂桃一キャプテンは、しかしチームで決めた『走り勝つ』というテーマを遂行し、粘って最後まで走った時に生まれたチャンスでトライを取り切った80分間に、穏やかな表情を浮かべた。
バックスタンドで掲げられた、『桃一』と『竜弥』。
日大がトライを奪うと、『TRY』のボードを頭上に掲げ、飛び跳ね喜ぶ高校生たちの姿があった。
「弟が所属する学校が見に来てくれていました。有難かったです、力になりました。(平坂キャプテン)」
高校生たちにとって身近で、少し年上のヒーローたちは、ノーサイドの笛が鳴る瞬間まで1つでも多くのトライを狙い続けた。
ロスタイムも予定時間を超えた時、リードしていたのは日大。
しかしノータイムのコールがベンチから掛かっても、所持しているボールを蹴り出すことはなかった。
それどころか攻め立て、5つ目のトライを奪う。
「少しでも大学選手権への望みを繋ぐため、ボーナスポイントを取りたかった」とは平坂キャプテン。
2トライ差となるトライを取りきり、組んだハドルの中でスコアボードを指差しながら「負けることはない、攻めよう」と仲間に声を掛ける。
勝利ではない。
勝ち点5を狙おう。
しかしコンバージョンゴールが蹴り込まれると、そのままは試合終了。ボーナスポイントの獲得とはならなかった。
それでも手にした今季2勝目。勝ち点4を掴み取った。
残されたリーグ戦は、あと2試合。
「自分たちのスタイルを貫き通して、良い試合をしていきたいと思っています。シンプルに、自分たちのスタイルを貫き通したいです。(平坂キャプテン)」
4年間信じてきた日大のラグビー。
多くの仲間と一緒に、最後までチャレンジを続ける。