60mins ~熊谷工業~
キックオフの笛が吹かれる直前、「楽しもう」の声が響いた熊谷工業陣。
「久しぶりに気持ちの良い試合ができた」と橋本大介監督が評するほど、会心の60分間だった。
夏合宿を経て、チームは進化した。
12番・須藤大地選手は疑いようのないエースへと成長し、持ち前のFWの強さとバックス陣とのコネクションが得点源となった。
フェーズを重ねトライを取り切れる、忍耐強さを併せ持つ。
「夏、秋と練習試合を重ねることで、コンタクト力が上がった。格上相手にも怪我せず連戦をこなしたことが、彼らの自信になった」とは橋本監督。
自信はプレーに表れた。
次戦は、今春の王者・川越東。
「強みのスクラム、そして低いタックルで攻撃へと続け、トライを奪いたい。」
11月12日12:05に、準決勝の笛が吹かれる。
最後のノーサイド ~立教新座~
西井悠眞キャプテンは、試合後、溢れる涙を止めることができなかった。・
「もっとこの仲間とラグビーがしたかった。
今日勝って、もう1週間みんなとラグビーして。また来週勝って、もう1週間やって。
もっとラグビーが上手くなりたかった。もっとこのチームで、ラグビーがしたかった。」
試合をする度に課題が見つかった。そしてそれを、みんなで克服してきた代だった。
振り返れば夏の始まり、思うようにチームが伸びない時期もあった。
何としてでも自分たちのラグビーを、と追及した夏合宿で、ようやく思い描く形は出来上がる。
「最近では一番成長したんじゃないかな」と自負するその言葉通り、今大会期間中にも、試合を重ねる毎に逞しさを増し続けた。
一時は5点差まで詰め寄った。
もしや、という時間を作った。
しかし、最後は昨年度の春の王者・熊谷工業に離されノーサイド。
花園行きの夢は、ベスト8で終わりを迎えた。
ジャッカルにボールキャリー。No.8としてチームのキープレーヤーで在り続けた長島朔良選手は、FWキャプテンとして「チームで一番活躍しよう」と心に決め今大会に挑んだ。
熊谷工業の篠崎キャプテンがトライを押し込んだ時には、立ち上がる篠崎選手の頭にポンと手を置く優しさも見せる。
オール埼玉の選考合宿で顔を合わせた2人。
ライバルであり、ともにラグビーに勤しむ仲間として、試合後にも互いの健闘を称え合った。
「初めてのAグラウンドは、60分間があっという間。楽しい時間を過ごせました。」
涙よりも、笑顔が勝った。
↓試合後のインタビュー動画はこちらから↓
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