石見智翠館、相手に敬意を払った圧倒。立命館慶祥は「仲間に感謝」のトライ|石見智翠館×立命館慶祥|第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会 1回戦

60分の物語

石見智翠館:青ジャージ、立命館慶祥:黄紺ジャージ

石見智翠館

今年、夏合宿前に掲げたチームテーマがある。

『狂』

僕たちは、狂ったように思いっきりプレーしている時、見ている人たちに感動を与えられている。

だから、狂ったようにラグビーしよう。

花園初戦を、「相手に敬意を払って圧倒しよう」と決めた。

この試合1つ目の『狂』は、ディフェンス。

開始1分に満たないタイミングでダブルタックルに入ると、思いっきり押し返した。

相手は堪らずペナルティ。全員が拳を高く上げ、全開で喜んだ。

続く『狂』は、アタック。

12番・檜和田祐人選手から5番・ホルス陸人選手の繋ぎで、大きくゲイン。キックパスを蹴り込むと、13番・宮崎和史選手がダイビングトライを決めた。

昨季から続くチームスローガン『Stay Connect』を体現したアタックで、勢いに乗った。

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だが、前半の終盤は立命館慶祥の好タックルが連発し、差し込まれる展開が続く。

『狂』には届かない時間帯。しかし6番・大沢櫂キャプテンは焦らなかった。

「今年初めて花園の地を踏む選手が多いんです。だから、上手く行かないことの方が多いだろう、ということは予測して挑みました。」

仲間を落ち着かせるため、ハーフタイムにはマインドセットについて改めて説いた。

「『狂』ためには、接点で絶対に負けないこと。接点で勝つためには、その前のセットが大事。考える能力を上げよう。」

12点のリードで折り返した後半、開始早々11番・内山人和選手の力強いキャリーでゴール前に迫ると、1年生No.8・祝原久温選手が押し込む。

すると後半は、前半の倍となる4トライを決め快勝。見事2回戦進出を決めた。

安藤哲治監督は言う。

「相手は初出場校。注目度高いゲームになるだろう、とこういう展開になることはある程度想定内でした。」

想定し準備し、挑んだ結果の勝利だった。

次戦は、黒沢尻北高校との対戦。

「僕たちは、『ベスト8を超える』を合言葉にしています。そのベスト8を懸けた戦いの相手は、おそらく天理高校。僕たちは春の選抜大会1回戦で天理高校さんと試合をして、同点・抽選負けでした。

ここ花園の舞台でも、天理さんと戦うために。最高のめぐり合わせを、最高の舞台で戦うために。今は部員全員で『天理に勝つ』という強い気持ちを持って、試合に挑んでいます。(大沢キャプテン)」

一戦必勝の戦いは続く。

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