60分の物語
報徳学園:赤黒ジャージ、高鍋:緑白オレンジジャージ
報徳学園
春の選抜大会、夏のセブンズと今季頂点に立ち続けているのは兵庫県代表・報徳学園。
第73回大会以来2度目のAシードで、この102回大会へやってきた。
フィジカルを鍛えてきたことが一目で分かるほど、一回りも二回りも体が大きくなった選手たち。
チームを率いる7番・植浦慎仁キャプテンは、穏やかな表情でキックオフを迎えた。
植浦キャプテン(写真左)
しかし先制点は高鍋に許す。立て続けに2つのペナルティが嵩み、3点を献上した。
「今日は僕たちにとっての初戦。浮足立ってしまうこともあり、やりたいことができなかった。自分たちのミスです」と植浦キャプテンは振り返る。
10番・伊藤利江人選手も「自分たちの問題」と繰り返した。「やりたいことのコミュニケーションが取れていなかった。」
だが、それもそのはず。
ここ花園においては、現3年生にとって初めての有観客。これまでの2年間とは、会場の雰囲気が違ったのだ。
「朝一番の試合で、あまり人がいないだろうなと思っていたら多くの方が来てくれた。嬉しかったです。少し緊張する部分はあるけど、楽しんでいきたいと思います。」
スポンサーリンク
試合中盤からは徐々にコミュニケーション量が増え、本来やりたかったことができるようになった。
課題であったFW戦、ラインアウトモールでトライを重ねると、高鍋をノートライに抑えるディフェンス力も見せた。
「僕たちは試合の入りが良くない。最初から上げられるようにしたい」と、課題は明確だ。
後半11分、モール最後尾についた9番・村田大和選手がトライ
高校1年次から花園に出場し続けて3年目。SO伊藤選手は言った。
「全国大会は、僕たちがやってきたことを一番発揮できる舞台。相手ではなく、僕たちがやりたいことを出し切りたい」と力強く話せば、植浦キャプテンも「組織力だけでなく、個人力を上げていくこと。イージーミスをなくすこと」と修正すべき点を理解する。
「僕たちは大会で成長できる。春・夏と頂点に立った自信を胸に、大会中に成長したい。(伊藤選手)」
史上4校目の3冠を目指す戦いが、幕を開けた。
後半23分、19番・柏村一喜選手がトライ。終盤には力強いボールキャリーも見せた