試合の中で成長、が仰星らしさ「夏を終えてからチームが見違える程変わった」。大分東明は仲間へ感謝の涙|東海大大阪仰星×大分東明|第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会 2回戦

60分の物語

東海大大阪仰星:紺サックス白ジャージ、大分東明:白ジャージ
8月の菅平合宿からは見違えるほどの強さを見せたのは、ディフェンディングチャンピオンの東海大大阪仰星。
松沼寛治キャプテン自身も「夏を終えてから、チームが見違えるくらいに変わった」と感じている。
「それまでは、去年のようになんとなくやれるんじゃないか、という気持ちがあった。だけど選抜大会やセブンズ、夏合宿と折られ気持ちが変わった。そこが本当のスタートでした。」
50:22からのモールトライに、力強いバックス陣のランニングトライ。
60分間通して、ペナルティ数は僅か3つに抑えた。
「仰星の特徴はオールオプション。何か一つの武器ではなく、全てを武器にすること目標としています。モールはそのうちの一つとして、FWがこだわって練習してきたプレー。トライを取り切れたことは成果」と話す。
初戦の緊張がなかったわけではなかった。
それでも1回戦で130得点した大分東明を1トライに抑える好守備からは、昨年度の優勝ジャージを着ることへのプライドがにじみ出る。
「今日の試合をする前と後では別のチーム、という程に成長できたと思う。これを続けていって優勝するのが仰星。試合の中で成長していきたいと思います。」
松沼キャプテン自身の表情もまた、数か月前とは全く違うたくましさを見せた。
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一矢報いるトライを決めたのは、大分東明13番・ナブラギ エロニ選手。
力強い独走に「僕がトライしないと」という使命感を持っていたという。
「日本での初めての生活は難しい時期もありました。だけど、応援してくれる人が僕の周りにはたくさんいます。白田先生が僕を日本に連れて来てくれたことに、感謝しています。」
センターコンビを組んだ浦山丈キャプテンもまた、相棒への感謝を口にする。
「一番信頼していたのが、エロニと(8番・ダウナカマカマ)カイサ。トライを取ってくれたことが嬉しかった。特にエロニは後半最初肩を痛めたにも関わらず、また出てきてくれた。自分たちも心配だったが、最後まで頑張ってくれたことが嬉しかった。」
浦山キャプテン自身は、誰しもが認めるプレーで引っ張るタイプのキャプテン。
新チーム発足当初、なかなか心の声を口にすることができなかった。
だがこの日は、どれだけ点数を離されようとも仲間に声を掛け続ける姿がグラウンド上にはあった。
「これまでの大会では、リーダーシップのなさを言われてきました。だけど最後は、声でも引っ張っていけたので良かったと思っています。」
3年間を共に乗り越えてきた仲間への想いを聞かれると「最後、一緒に・・・」と言葉を詰まらせ涙を流した浦山キャプテン。
隣に座るエロニ選手は、そんなキャプテンの肩に手を置いた。
「今日は、良く頑張りました。(エロニ選手)」

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