60分の物語
天理:白ジャージ、長崎北陽台:青ジャージ
天理
激しいタックルの連続。
ワンチャンスをものにするしかない、ロースコア。
互いにペナルティ数5と、準々決勝4試合で最も少ない反則数で規律の高いゲームを見せた。
それが顕著に表れたのは、後半ロスタイム。
「後半のロスタイムはありません」と会場アナウンスが流れると、3点をリードしていた天理は、時計の針が30分をまわったことを確認しタッチに蹴り出した。
試合を終了させるつもりだった。
しかし、レフリーはノーサイドの笛を吹かず。
まだ僅かに、時間が残っていた。
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実はこの展開、初めてではない。
奈良県大会の決勝戦でも、試合終了のタイミングを誤り同じミスをしていた。
「ボールを取り返した時、(レフリーに)確認すればよかったのに慌てて蹴った。こいつららしいな、と思いました」と話すは松隈孝照監督。
戦況を見守った。
そこから重ねられた、およそ5分間の最後の攻撃。
規律高くディフェンスをし続け、目立ったラインブレイクを許すことなく、逆にディフェンスラインを上げた。
相手の攻め手を封じる、タックルの数々。
最後はブレイクダウンでターンオーバーし、今度こそ試合終了。ボールを外に蹴り出した。
「前半、自分たちのミスからボールを手放すようなこともあって嫌な流れだった。だけれども、上手いこといかない所を修正する能力がある。」
松隈監督が太鼓判を押す今年の天理らしさを活かし、18年ぶりの準決勝に挑む。