第2試合:本庄第一×熊谷工業
本庄第一 31 – 0 熊谷工業
本庄第一
2年前の4月に、部員数10名で再スタートを切った本庄第一ラグビー部。
新井昭夫監督体制になって初めて、新人戦を単独チームで迎えた。
「ずっとこのメンバーでやってきました。(新井監督)」
初めて、1年通して単独チームでラグビーができる喜びはひとしおだった。
加えて新井監督は熊谷工業高校出身。花園で全国優勝を果たした代の主将でもあり、そんな母校と戦う初めての日。
生徒には「この舞台に連れて来てくれてありがとう」と伝え、挑んだ。
試合前のアップから、選手たちの熱量は高かった。
その気合いは、接点の強さへと昇華。強い接点、速い寄りで、相手のペナルティを誘った。ボールを手にすれば、1年生トリオのバックスリーが躍動する。
終わってみれば、なんと5トライを奪っての完封勝ち。
ノーサイドのホイッスルが鳴ると、ピッチに立つ選手たちは喜びを表した。
「嬉しかったです。」
9番・杉田猛キャプテンは、素直に喜ぶ。「監督の母校であり、全国優勝経験を持つ伝統校。ここが勝負だと思っていました。しっかりと勝てて良かったです。」
今年は結果が求められる年。
「僕のもとで全国を目指す、という生徒たちが集まってきてくれています。一つひとつを通過点として、一戦一戦成長していきたい。(新井監督)」
準決勝の相手は、3年連続埼玉王者の昌平。
初の関東新人大会出場権を懸け、負けられない一戦だ。
「強い相手に向かって、しっかりと準備をしていくだけ。今日の勝利を喜んで、でも切り替えて昌平に勝てる準備をしていきたいと思います。勝負は接点。ブレイクダウンで絶対に負けたくないです。出足の早いシャローディフェンスを意識して『相手に何もやらせない』をやりたいと思います。」
熊谷工業
昨季の主力だった3年生が抜け、一から経験値を積み上げている最中の熊谷工業。
スターティングメンバー15人のうち、2年生は僅か7人。登録メンバー25人のうち、1年生が17人を占めていた。
橋本大介監督は、何度も「若いチーム」と繰り返す。
「接点で負けていました。それが自分たちのリズムに最後まで乗り切れなかった要因。これはもう、根本的なこと。」
新キャプテンは6番・佐藤陽翔選手が務める。橋本監督が「一番エナジーある」と認める選手だ。
そう、何を隠そう今年のチームスローガンは『エナジー』。
「全員が熱量をもって、練習から全力で打ち込んでいきたいという意味を込めました」と、佐藤キャプテンは説明した。円陣での掛け声も、今年は「ワン・ツー・スリー、エナジー!」と声を合わせる。
だが、そのエナジーが影を潜めた。
「下と上に入る、工業としてのダブルタックルの基本、練習でやってきたことを活かせなかった」とは佐藤キャプテン。
「相手を見て順目逆目どちらにボールを運ぶか決める練習もしてきました。だけど緊張していたのか、みんなボールしか見えていなくて。今年の強みであるバックス展開が出来なかったな、というのが反省点です。」
一戦に挑む気持ちを作り上げることも、また一つの経験なのである。
橋本監督は言った。「負けた理由は明確。やるしかない。トレーニングと食事量。春までにどれだけやれるか、です。」
負けは悪いことではない。今日は明確な敗戦でした。そう続け、残る順位戦の先をも見据えた。