「日本のチームで世界一に挑戦できるのは僕たちだけ」決勝戦は、NZ王者ハミルトンvs東福岡に。前年度の両国王者対決が実現|サニックスワールドラグビーユース交流大会2023

4月28日から福岡県宗像市で開催されている、サニックスワールドラグビーユース交流大会2023。

6つの国と地域から集まる男子15人制は5月3日、順位決定トーナメントの準決勝が行われ、決勝のカードが決まった。

スポンサーリンク

決勝戦

12:40~ @スタジアム
ハミルトン ボーイズ ハイスクール(NZ)× 東福岡

3・4位決定戦

11:00~ @スタジアム
ネイピア ボーイズ ハイスクール(NZ)× 佐賀工業

5・6位決定戦

11:00~ @フィールドA
慶應義塾 × 天理

7・8位決定戦

11:00~ @フィールドB
ダウンランズ カレッジ(AUS)× 報徳学園

9・10位決定戦

9:30~ @フィールドA
ブルックスビー メルトン カレッジ(ENG)× 京都成章

11・12位決定戦

9:30~ @フィールドB
ジエングオ ハイスクール(中華台北)× ソウル ナショナル ユニヴァーシティ ハイスクール(大韓民国)

&rugbyを応援する

準決勝第1試合 ハミルトン×ネイピア

ハミルトン:赤ジャージ、ネイピア:水色ジャージ
ハミルトン ボーイズ ハイスクール(NZ) 52 – 19 ネイピア ボーイズ ハイスクール(NZ)

2022年のニュージーランド全国高校大会優勝校・ハミルトン ボーイズ ハイスクールと、準優勝校・ネイピア ボーイズ ハイスクールの一戦。

ニュージーランドでは現在、シーズン開幕を控えたプレシーズン真っ只中。これから迎える2023年シーズンを占う上でも重要な、ニュージーランドのチーム同士の準決勝となった。

試合はハミルトンの先制2連続トライからスタートする。

自陣でターンオーバーすると、50m超の独走トライを見せたのは10番ウィンダム パトゥアワ(Wyndham Patuawa)選手。力強いランと落ち着いたゲームコントロール、正確なプレイスキックが魅力の選手だ。

この日はプレイスキック成功率100%を誇った。

対するネイピアも、飛ばしパスを受けた11番キアヌ・トゥイファオ(Kiane Tuifao)選手がパワフルにインゴールへ飛び込むなど、ニュージーランドらしい速さと強さを活かしたプレーを見せた。

それでもハミルトンが一度もリードを許すことなく得点を重ね、52-19で決勝進出を決めた。

スポンサーリンク

***

ハミルトンは全員が揃って短髪。どこか日本人にも馴染みのあるその姿は、20年以上続く同校の伝統だ。

プレシーズンのはじめに行われる3日間の合宿中、バリカンを持って互いの髪の毛を剃り合うのが恒例行事なのだそう。

時折、小さな帽子を被る選手を見かけるが、これはファーストジャージで25試合の出場を達成した選手にだけ送られるもの。

だからどの試合にもその帽子を持参し、誇りを確認する。

スポンサーリンク

キャプテンは7番オリー・マティス(Oli Mathis)選手。

力強いボールキャリーと落ち着き払った姿は、将来の全黒ジャージを容易に想像させた。

チームを率いるナイジェル・ホサム(Nigel Hotham)ヘッドコーチも「彼はスペシャルな選手」と評する。

もちろんこの日も大活躍。前半と後半に1つずつ、トライも決めた。


試合終了間際にピッチから退くと、同じタイミングで負傷交代した対戦相手の選手に優しく手を当てがった。「以前からの知り合いなので、大丈夫かどうかを確認していました。」

試合前も、ハーフタイムも、ずっとハドルを組み続けたハミルトン。

「ミスをしたらそのミスをどう修正するか、そして次にやるべきことをチーム全員に伝えるようにしています。(マティス キャプテン)」

後半30分に奪った7つ目のトライの後でも「Stay Hungry Boys!」と言葉は掛かった。

スポンサーリンク

ハミルトンの選手たちのプレーからは、どこか貪欲さを感じる。

ボールを持ったら少しでも前に行こうとすること。一瞬でも速くトップスピードに到達しようという姿勢。それらが力強さとして表れ、プレーへと結びつく。

なぜか、とキャプテンに問えば、ある一人の存在を教えてくれた。

「昨年まで同じチームにいた選手が、残念ながら今年の初めに亡くなりました。僕の一つ下、16歳でした。僕たちが今日これほどまでに戦う気持ちを見せられたのは、彼に敬意を表して、勝利を捧げようというチームのモチベーションがあったからだと感じます。」

ベンチには額装された1枚の写真が置かれている。

ハカを披露するときには、その写真を目の前に掲げ、天国の仲間へと祈りを届けた。

スポンサーリンク

ナイジェル・ホサム ヘッドコーチ

佐賀工業対東福岡の準決勝を拝見しましたが、素晴らしいクオリティのラグビーで堪能させて頂きました。

東福岡のスピード、特にラックからの球出しはとても速いですし、9番・10番の正確性も見逃せません。

決勝戦ではそのスピードに対応したディフェンスができるよう、しっかりと分析をして対策を練り、挑みたいと思います。

オリー・マーティン キャプテン

接戦になると準備して臨みましたが、やはりタフな試合でした。それでもみんな良いプレーをしたと思います。アタック面で少し修正が必要なので、明日修正をして決勝戦に挑みます。

決勝戦は、チームとして成長する良い機会だと思います。自分たちが良いプレーをしたら、結果はついてくると信じています。

スポンサーリンク